第3話

「春さん??あのぉ、今日こそ外して貰えますか?」


「ダメだよ。まだまだ、あの浮気したこと怒ってるんだからね」


「いや、でもほら俺もそれなりの年だし。もうすぐで30いっちゃうよ」


「ほら、やっぱり全然反省してないんだね。お兄さんは私は年齢差なんて関係ないっていつも言ってるよね」


「いや、問題なのは俺だが既に親子という関係が問題でして」


「それも大丈夫だよ。」


「・・・いやいや、そこが大大大問題ですよ」


「あーもう、お兄さんは相変わらず頑固だな。まぁそう言う所も良いところなんだけど、」


そして、春は俺の横に来て、頭を撫で出した。


「あのぉ、春さん」


「昔こうやって何度も撫でてくれたよね」


無反応だったけど


「私、あの時、本当は嬉しかったんだよね。嬉しかったんだよね。リレー褒められたの」


「そうだったんだ」


「うん、私も3位だし、と思ってたけど、私のことを見てくれているって誰よりも私のことを見てくれてるんだって思ってた」


知らなかった。そんなふうに既に小学生のあの時から思って居たなんて


「ずっと、ずっと恋してたんだよ。転校の時に、泣きながら私に抱きしめてくれたあの時から」


それも凄く覚えている。昨日のことように覚えてる初めて俺に話してくれて、あの悔しさも忘れてない。


「だからね、お兄さん。無理しなくていいんだよ。私はあなたことだけを愛してるから。これからどんな人が現れても私は貴方の側に居続けるから」


そう言って春は、まるで母ように包み込んでくれる。


「じゃあ、外して」

普通に動きたいし、辛いんだよね。手痛いし


「ダメ」

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