森羅万象を哲学へと繋ぐ

神凪颯

社会問題を思考する

自衛隊の意義とは

 日本には今、自衛隊が存在する。


 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


 憲法第9条にはこのように示されているのにだ。だが、今一度考えて欲しい。日本国憲法は1947年に施行されて以降、一度も改定されていない。つまり2023年現在、約80年前の憲法を未だに使い続けているのだ。世界的に見ても珍しい例である。

 これは例えるなら80年前の車を故障した部位も直さずもう壊れた状況でも放置しているのに等しい。環境は刻一刻と変化し、たった10年で街並みは変化し、技術は変化する。iPhoneは2007年に発表され、Androidは2009年に発表された。つまり今あなたが使っている、普段使っているスマホは約15年前に発表された最新技術であると言える。今はもうなくてはならない存在なのにだ。


 このように環境は刻一刻と変化している。同様に社会もまた変わっていくのだ。約80年前と今、鬼畜米英と争っていた相手と今仲良くしている。ソ連は1991年12月26日に崩壊し、そして中国が台頭してきた。80年前と世界は今と全く異なるのだ。それに対応すべく憲法は改定されるべきであるはずだ。約80年前の憲法は時代錯誤。そう断言せざるを得ない。


 そもそも軍隊を持つなというのが無理な話なのだ。軍隊を持たない国は少数ではあるが存在する。しかしそれらはそうなる理由が存在する。


理由1:周辺国との深刻な対立がないため、軍事的な脅威にさらされる危険性がなく、その国自身も軍事的な活動を行なう意思がないため、軍隊を編成する必要を政府や国民が認めないような場合や、実戦に堪えられる程度の兵員数と兵器を、経済的理由で揃えることができなかったりする場合、その両方である場合が挙げられる。


理由2:幾度となく軍隊がクーデターを起こしてきた過去がある場合、根本的解決をはかって、政情不安の直接の元凶である軍隊を解散させる。


理由3:大国が小国の政権を直接武力介入で打倒した後、自国に都合のよい政権を樹立する事が専らである。この新政権に対する再度のクーデターの予防措置として、旧政権の支持基盤であった軍隊を強制的に解体させる事で安定を図る。


理由4:戦勝国が敗戦国を占領し、軍隊を解体。駐留する戦勝国軍が専ら防衛を担う場合。


出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/軍隊を保有していない国家の一覧


 日本はこのうち理由4に属していた。しかし、出典元を見れば明白だが、理由4に値するところは今全てが軍隊を保有している、という点だ。少し考えればわかるが自国に対して他国が守るというのは長く続かないのだ。軍隊というのは大食漢である。だから他国に使う事はできないのだ。


 そうなった場合、自国を守るにはどうするかは明白だろう。自ら軍隊を持つしかないのだ。他国任せで日米安全保障条約があるから大丈夫だと主張する人がいるが、とんだ大間違いである。条約が破られないという保証はどこにあるのだろうか?その主張にはっきりとした情報ソースはあるのだろうか?


 ないであろう。条約というのは今まで幾度となく破られてきた。それが日米安全保障条約ではないという保証はどこにもないのだ。世界の警察と言われているアメリカが破るわけがないというが、アメリカなど白人にとっては白人>黒人>黄色人種おうしょくじんしゅという差別が存在する。人間の意識はそう簡単に変えられるものではないので未だにこれはのさばっている。


 簡潔に言おう。彼らアメリカ人にとって我ら日本人は獣であり、家畜と同等である。この考えのあるアメリカ人を信頼する?冗談も程々にしておけ。


 そうなると我々は軍隊を持つ他なくなる。中立を取れば戦争は起きないという戯言が多々あるが、その根拠はどこにある?中立だから侵略されない?そんな事はない。軍隊を持たなければただ蹂躙じゅうりんされ、馬車馬のように働かされ、女は慰安婦にされる最悪の未来が待っている。馬車馬のように働かされるのは今も同じだがな。


 戦争に倫理を求めるな、戦争に平和の常識など通用しない。戦争には戦争の常識があるのだ。味方が敵兵を射殺し、敵兵が味方を射殺する。それが戦争の日常、常識だ。敵であれば殺しても良い。むしろ褒められるという人殺しを正当化される戦争において倫理観を求めるのは間違っている。地雷などの使用禁止兵器についても、そうだ。不発弾が危険という理由等で廃止されたが、それは平和の常識においての話だ。


 戦争の常識において言えば地雷という負傷を目的としたものは非常に効果的だ。単純に死者を出すと1人を消費させるだけだが、負傷者は医療に運ぶために運ぶ人員など1人では済まない被害を出す。戦術的に負傷を目的とする事は効果的で使わないわけがなかったのだ。


 このように常識が違うのだ。違う常識で語るからあたかも頓珍漢な言葉を語っているとしか見えない。私は問いたい。戦争を楽観的に考えていないか?と。


 古来からそうだ。負けたら賊軍、勝ったら官軍で勝った方が正義なのだ。敗戦国となった日本がここまでの被害で済んだのは昔の日本人のおかげである。それゆえに負けても大丈夫という誤った認識を持ってしまったのもまた事実だ。


 このように国は軍隊を持たなくてはならず、それに日本も当てはまるという事だ。しかも核を落とした国と協力体制にある中、仮想敵国は露やボルシェヴィキの残党である。仮想敵国として3カ国と領土が近いのだ。事実、中国は尖閣諸島を武装占拠し、ロシアは北方領土に移住している。


 今一度問いたい。仮想敵国が強大で多くいる中、自衛隊を廃止しろと言っている人々は死にたいのだろうか?と。

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