M19の記録
@rapanndorune
M19の記録
男性:「おぉ、こりゃ立派なモンだな。上はデカイのがお好きなんかね?…あ?なんだこれ。録音機器か?監視かよ、趣味わりぃ…」
男性:「おっ、おはようさん。あー、俺の事分かるか?よし、認識出来てるみたいだな」
マルク:「えー、俺はマルク。02(マルニ)隊の隊員だ。今日からお前は俺の相棒だ。分かったか?」
マルク:「それじゃ、今日からよろしく頼むな」
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マルク:「よぉ、今日は廃墟となった街で実戦形式だとよ。相手は03(マルサン)隊らしいが…面倒だなぁ。ま、ゆるくやろうぜ相棒」
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マルク:「あー、ムカつくぜ!あのくそ上官!何が『訓練と言えど敵前逃亡は重大な軍規違反だ』だよ!!あのまま戦ってたら廃ビルが崩れて生き埋めになっちまうだろうが!あー、ほんとやってらんねぇよ!」
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マルク:「よぉ、今日も訓練だってよ。ったく、だるいぜ…。昨日は夜遅くまで呑んでたからなぁ~…。おっ、俺らの出番だ。よし、俺達の息ぴったりな動きを上官どもに見せつけてやろうぜ」
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マルク:「よぉ、相棒。いや、今日は訓練じゃねぇよ。ちょーっと匿って欲しくてな。この前酒をくすねたのがバレてよ。上官がスチームポットみたいになってるんだわ。後ろで指揮するだけの上官より前線に出てる俺らに酒をよこせってんだ。ったくよぉ」
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マルク:「よぉ。新しい武器の試作品が来てるからそれの調整だとさ。日に日に戦場が近づいてきやがったって感じだな。何かあったときはお前が俺を守ってくれよ?…なんてな」
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マルク:「早く起きてくれ。早く!…起きたか!緊急出撃(スクランブル)だ。ここは最終防衛ラインだ、命にかえても守りきれだとよ。よし、ドッグから出るぞ。出撃!」
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マルク:「くそっ、数が多すぎる…撃っても撃っても埒が明かねぇ。西の奴ら無駄に数だけ居やがるな」
マルク:「実戦で使ったことはねぇが…キャノンで吹っ飛ばすか。やるぞ相棒!」
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マルク:「ははっ!サイコーだな、相棒!見たか?あいつら殆ど吹っ飛んじまった!あとは死に損ないばかりだ。さっさと片付けてベッドに帰るぞ!fire!(ファイヤー!)」
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マルク:「おいおいマジかよ…。03(マルサン)部隊は何やってんだ?くそ…せっかく綺麗に掃除できたと思ったら、また湧いてきやがった。弾が底を付きそうだ。おい、本部に通信だ。こっちに救援頼むってな」
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マルク:「あー、相棒?本部から返答は?」
マルク:「……そうかよ。…くそったれ!あいつ、俺らを捨て駒にしやがった!!ちっ、あの酒のツケが回ってきやがったってか?」
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マルク:「てことは…、孤立無援か!とりあえず、今は目の前だ。ここを切り抜けなきゃならねぇ。どうにかして包囲から抜け出さねぇと…。どっかに穴でも空いてねぇか?」
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マルク:「よし、そこだな!流石だぜ相棒!突破するぞ!うおおおおおおっ!」
マルク:「何とか抜けたか?うおっ!あっぶね…。くそ、あっちは良い機体使ってるな!…なんだ?全然当たらねぇ!ちっ、さっきので銃身が曲がったか!このままじゃ……」
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マルク:「くそぉ!こんなところで死ねるかよっ!俺には家族が居るんだ!待ってる奴が居るんだよ!うらああああああああっっ!!!」
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マルク:「…ハァハァ、どうなった?俺は生きてるのか?」
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マルク:「あぁ、俺達助かったのか……。そうか、お前に助けられたんだな。…ありがとな、相棒」
マルク:「っと、それよりも今は本拠地に戻る方法だな。マップを広げてくれ。…帰るぞ、家に」
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マルク:「……?おい、相棒?」
マルク:「まさか壊れちまったのか?おい、おい!なぁ!マイ…」
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マルク(回想):『命を預ける相棒なんだから名前は付けとかねぇとな。そうだなぁ~。M19だろ?んー、じゃあ』
マルク(回想):『マイクだな!…分かってるよ、俺にネーミングセンスが無いことなんて。でも分かりやすくていいだろう?マイク。呼びやすいしよ!』
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マルク(回想):『これからよろしく頼むぜ!マイク(相棒)!』
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マルク:「マイク…」
マルク:「!…ははっ。おせぇよ…ねぼすけ。もう少し早ければ見つからなかったのによ。あぁ…畜生。あいつら、本当に数が多いな」
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マルク:「修理なんて初めてやったもんだから、てこずっちまった。あぁ…そんなことしてるぐらいだったらお前捨てて隠れてた方が生き残れたかもな。なんてな。そんなこと言っても今さらだけどよ」
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マルク:「……なぁ、相棒。お前、常に録音されてるんだよな?いや、そのデータが家族に渡されるかはわかんねぇけど…。残してきたあいつらにメッセージだけでも送りてぇんだ」
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マルク:『もう、俺は死ぬ。くそみたいな場所で俺はくたばる。悪いな…母さん、父さん。それから、マリー。約束守れなかったわ。……こんな俺だからさ、こんな時にしか言えないけど。俺はお前の事を愛してる。ずっと。だから、お前には幸せでいて欲しい。…ありがとうな』
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マルク:「…はは。これ、恥ずかしすぎるな。よく考えたら敵側に渡るかもしれねぇし」
マルク:「まぁ、いいや」
0:(深呼吸)
マルク:「よし、やるぞ相棒。最後のあがきだ。せいぜい西の奴らを大勢引き連れて地獄で踊ろうぜ!」
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マルク:「ありがとな…マイク。ずっとここまで俺の相棒やってくれて」
マルク:「鉄の棺桶じゃない、俺はお前とくたばれて少しだけ良かったって思えるわ。なんてな」
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マルク:「ちくしょう…帰りてぇよ…。あぁ、死にたくねぇなぁ!」
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