何故か学園一の美少女が、毎日脱ぎたてのパンツ渡してくる件について。

青薔薇の魔女

プロローグ:その少女は縞パンツを履いていた。

 陰キャで根暗、コミュ障で、友達皆無な俺は今日も今日とて何故かクラスの超絶美少女から校舎裏に呼び出されていた。


「……来た」


 彼女の名は、久恵 雫。生まれながらの銀髪を持つ、この学校でもトップクラスに可愛い少女の一人だ。

 何処か他者を寄せ付けない、そんなオーラを纏った人物で、孤高を貫く氷の少女。


 誰とも群れない、そんなそっけない態度が逆に男たちに刺さり、男性諸君から圧倒的人気を誇っている。


 ……毎日のように告白されているとも聞くし。

 

 本来陰キャで根暗でコミュ障である俺となんて、同じクラスという事以外で関わりが持てるはずないのだが……なんでか最近、毎日校舎裏に呼び出され、そして毎日のように、パンツを渡されている。


 パンツ……と言ってもただのパンツじゃない。女性ものの、しかも脱ぎたてほやほやの奴だ。


 エッチいにおいが漂ってくる、まさに女の子がさっきまで履いてたやつを、こいつは俺に渡してくるのだ。何故か。


「……今日もあげる」


 そう言って差し出されたのは、脱ぎたてほやほやの縞パンだった。

 ……なんで脱ぎたてか分かるかって?

 

 今、まさに目の前でパンツを脱いでいたのを見たからだ。


「お前それ渡したら……その、下どうすんだよ」

「ん、普通にノーパン」


 そう言って彼女はさも当然のように言うと、思いついたかのように訪ねて来た。


「……見る?」

「ふぁっ!? い、いや。いやいやいやいや……」

「……残念」


 そう言って彼女は、スカートにかけていた手を下ろしてしょぼんとした。



 数日前から始まったこのやり取りは……果たして何を意味しているのか。

 これは、俺とこいつの……パンツから始まった恋の物語である。

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