新1話

「優くん、最近さ・・・他の子をよく見てるよね」

春の視線が怖い。明らかに怒っている。


「ありがとう、マネージャーとして出来て来てるってことだね」


「・・・褒めたんじゃないよ」


「??そうなの?俺どこか悪かった?」

全く覚えがない。実際、本当にマネージャーとしてやってただけだし、


「悪いよ!!優くんには私だけを見て欲しかったのに!!!」

声が鋭いし、殺意も感じる。まさにヤンデレにふさわしいぞっとする声だ。



だが、俺は負けない。つかマネージャーである以上、

「ごめん、やっぱりバレーボールのマネージャーとしてチームのマネージャーとして見ているから一人だけって訳には行かないよ。」


春だって分かってる筈だ。そうしたくても出来ない。そんなことしていたら女子バレーボールのマネージャーから追い出されてしまう。


「・・・じゃあさぁ」


「??」


「私が一人で活躍が出来るようになったら、私のことをメインで見てくれる?」


「それがチームにとって良いなら。周りも文句言わないだろうし・・・でもバレーボールは繋げるスポーツだし、最初はレシーブだから、絶対打てないし」


「・・・じゃあ、そうしたら私だけのマネージャーになってね」

俺の言葉を関係ないと言うかのように無視し、真っ直ぐに俺を見て春は言ってきた。


「うん、でも無理しないでね。春が無理をするくらいならマネージャー辞めるから」


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