第126話 切り替え
2回目のヴォート帝国侵攻も上手く行き、戦力が更に1.5倍ぐらいになったところで本格的にレプリコンの領域をヒノマルサイクツに塗り替えていく。何もしなくても勢力が拡大していく恐怖。
どんどん支配下に置かれる星系が増えて行くとちょっと感覚が狂って来るわ。普通に別勢力と戦って星系を確保するなら、本来どれほどの犠牲と労力がかかるか。ラドン連邦とパラディ社の殴り合いとかを観察していると強くそう思う。めっちゃ金かかるし。
「……レプリコンのステーションとかもヒノマルサイクツに切り替えられる?」
『可能です。順番に切り替えて行きましょうか?』
「お願いします」
「レプリコンを掌握したって、そういうことが出来るレベルなんだ……」
レイがレプリコンの掌握をしてしまったため、レプリコンの造船ステーションとかもヒノマルサイクツに移譲することが可能となった。レプリコンが占領したステーションをあまり改造していなかったのも、このためなんだろうなあ。
もちろん星系基地やステーションの移譲に関しては一度機能停止させてから移譲させることで一旦破壊し、再建したようには見せかける。特に星系基地に関しては全銀河に情報共有されるし……地味に星系基地を建てるだけでも結構なお金がかかるので、レプリコンの勢力圏を気軽に塗り絵出来るようになったのは非常にありがたい。
なんというか、手厚いサポートである。……経済圏も最低限自立できるように、それでいて余剰分で好き勝手自由に内政出来るようになっているので非常にありがたい。居住可能惑星はレプリコン勢力圏内だけで25個。合計したら人口は300億人ぐらいになるんじゃないかな。
レプリコンのヘルメットについて、取り付ける装置をちょっと弄れば取り外す機械にも学習装置にもなるのは都合が良すぎると思っていたけどこういう仕組みか。というかやろうと思ったらこのレプリコンの勢力圏の人間、全部レイが思い通りに操ることすら出来るんだよな。レイが自分みたいな悪人じゃなくて良かった。
「人口が最終的に300億人以上になるのはどうするのよ」
「アリアーナが一元管理する。
……あれ、これ予防接種だけでも破産しないか?」
「流石に薬や医療関係は自給出来るようにするわよ。
それまでは惑星間の移動禁止ね」
『一応レプリコンの勢力圏には元医療惑星もありますし、アイヴァン共和国から押収した医療品を横流ししましょうか?』
「あー、じゃあそれで行けるか」
「どんどんレイも汚染されていってるわね……」
最終的に膨れ上がる人口問題に対して、とりあえずはアイヴァン共和国から物資の略奪を基軸にして医薬品とかは揃えていく感じに。まあレプリコンの占領下でも、元々一惑星だけで回せていたんだから何とかなるか。
あ、そうだ。レイが各惑星の情報吸い上げられるようになったということは……。
「……もしかして戦艦とか空母とか自前で作れる?」
『はい、作れます』
「ちょっと、流石にライセンス買わないとテラニドカンパニーも敵に回すわよ」
「いや、エルダープライズは元々ラドン連邦の艦船販売会社が売っていた奴をテラニドカンパニーがライセンス購入して生産した奴だろ?他にもラドン連邦の方が性能良い艦船多いし、元がラドン連邦製の戦艦や空母なら文句言われない。
……どうせラドン連邦には喧嘩売るんだし、量産出来るならしておいて良いと思う」
当然ながら、各種設計図とかも入手し放題となった。駆逐艦や戦闘機の設計図の値段が高かったことから、戦艦や空母の設計図は更に値が上がるだろうし、入手は困難だと思っていたところにこれである。……何というか、ゲームで技術ツリーを全開放した時の気分。流石に空しさも感じて来たわ。
『というより戦力を増強するのであればレプリコンの無人機を活用する方が確実だと思いますが……。北に回している軍は南で活動している軍よりも高性能なものが多く、質も高いですよ』
「いや、レプリコンの無人機はひたすら北でアイヴァン共和国の侵攻をして良い。下手にレプリコンとの関係を見つけられて、ヒノマルサイクツごと人類の敵になる方が不味い」
「もう既に人類の敵になっていると思うわよ?」
「まだ全勢力に喧嘩売るって決めたわけじゃないから……。
テラニドカンパニーとか平和的に買収出来るしな」
レプリコンの艦隊は、どうやら今まで手加減してくれていたようで北を侵攻中の艦隊は旧世代機ではあるけどまだマシな艦隊を使っているらしい。まあ今までのレプリコンとの戦い、大きな被害はなかったし都合良く散発的に襲って来ていたし……何より、本当に都合の良い実戦練習相手だった。
ネルサイド協定を襲っていた時よりヴォート帝国を襲っていた時の方が楽だったのは、艦隊の規模が格段に大きくなったのに、戦闘機乗り達の練度が上がっていたからだ。……まあ将来的には無人機使うだろうけど、それはレプリコンとの繋がりがバレてからで良いかなあ。
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