可愛くて巨乳で幼馴染の彼女に耳かきしてもらうだけの話

湯島二雨

可愛くて巨乳で幼馴染の彼女に耳かきしてもらうだけの話

 「うーん……」


俺はいつの間にか眠っていたようだ。


なんかすごく心地良い。なんかいい匂いがして、なんか柔らかい。暖かくて、とても気持ちいい。


この優しさに包まれているような感覚、俺は知っている。


俺は少しずつ、ゆっくりと目を開く。

開いた視界に最初に飛び込んできたもの、それは……



でかい乳。

ボリュームがすごい下乳。


寝起きで視界がぼやけていてあまりよく見えてないが、乳だけはハッキリとよく見えた。なぜなら俺がおっぱい星人だからだ。


俺の顔面の上に、ド迫力のおっぱいがたゆんとしている。

乳しか見えない。乳で顔が見えない。しかし乳だけで俺はこの乳の持ち主は誰なのか確信を持っていた。ていうか心当たりは1人しかいない。



「あ、起きた? おはよう」


「お、おはよう……」



豊満な乳からひょっこり顔を出してきた女の子。

となりに住んでいる俺の幼馴染で、めちゃくちゃ可愛くて、胸もでかくて。そして……


俺の彼女だ。



「何してるんだよ」


「何って、キミが寝てたから膝枕してあげようと思って。

……イヤだった?」


「イヤなわけねぇだろ」


そうか、膝枕か……俺はソファで彼女に膝枕されているのか。

どうりで上に素晴らしい眺めがあるわけだ。乳を眺めるためには最高のポジションじゃないか。



「そっか、膝枕されて嬉しいんだ」


「当然だ」


柔らかい太ももの感触、見上げればボリュームある乳、さらに可愛い、いい匂い、この世の贅沢をすべて詰め込んでいる。何も言うことはない。



「ふっふっふ、キミの寝顔、いっぱい堪能させてもらったよ」


「……別にすぐに起こしてくれてもよかったのに」


「だってキミの寝顔を1秒でも長く見ていたかったから」


「……っ」


「キミの毛穴までよく観察させてもらった」


「やめろよ、そんなもん見たって気持ち悪いだろ」


「気持ち悪くなんかないよ1ミリも。だってキミかっこいいもん」


「……っ」


めちゃくちゃ照れるんだが。俺は何も言えなくなっちまった。こいつはなんでそんな恥ずかしいことをサラッと言えるんだ。



「好きな人なら、キミなら……たとえケツの穴だっていつまでも見てられるね」


「女の子がケツの穴とか言うな」


最高の彼女なんだけどちょっと変態要素強い。まあ俺も彼女のケツの穴をずっと眺められるかって言われたら超余裕だし俺も同類なんだが。



「耳の穴もよく見させてもらった。すごく汚れてるね」


「なっ……さっきから汚い話ばかりしやがって」


「耳掃除ちゃんとしてる?」


「してない」


「なんで?」


「別にしなくていいだろ、耳垢なんてほっとけば勝手に外に出るんだから。別に痒いとか痛いとかもないし」


「まあ耳掃除やりすぎもよくないけど、ちょっとくらいならした方がいいと思うよ。気持ちいいよ、耳かき」


「気持ちいいよって言われても、したことないからわからん」


「ウソ!? したことないの!?」


「そんな驚くようなことか?」


「そっか……キミは耳かき童貞なんだ」


「耳かき童貞ってなんだよ」


目の前にいる彼女とヤりまくり挟まれまくりのこの俺が今になって童貞とか言われるとは心外だ。



「なるほど、したことないならなおさら経験した方がいいだろう」


「別にいい」


「まったく、キミはおっぱいのことばっかりでそれ以外のことには全然無気力なんだから」


「うるさい、今はおっぱいは関係ねぇだろ」



「いいから、私が耳掃除してあげる。耳かき童貞この私がいただこう」


「…………」



耳かき童貞『も』か……あっちの方の童貞を彼女に捧げた時のことを思い出してなんか欲情してきた。


まあ、大好きな女の子が耳かきしてくれるって言ってるんだから断る理由なんかどこにもない。

人の好意は素直に受け取る、それが俺のモットーだ。



 俺は彼女に耳かきしてもらうことになった。膝枕されてるしちょうどいい。

耳かきとかしたいと思ったこと一度もないけど彼女にしてもらえるとなると俄然楽しみになってきたな。

まあでも、別にこんなもんかって感じで大したことないだろう。耳かき程度じゃ絶対堕ちない自信あるね。



「じゃーん、ごく普通の耳かき棒~」


「お、おう……」


彼女は持っていたポーチから取り出して俺に見せつけるようにしてきた。


ごく普通のって言われても普通じゃない耳かき棒とか知らないから何とも言えん。

先っちょはなんか曲がっていて、上には白い綿みたいな何かがついている。先っちょはなんとなくわかるけど、上のもこもこした綿毛は何に使うんだろうか? ガチ初心者の俺にはよくわからん。



「じゃあ、始めよっか」


「あ、ああ、頼む」



よくわからんまま耳かきが始まろうとしていた。心なしか彼女はすごく嬉しそうだ。楽しそうにしてる彼女を見ると俺も幸せな気持ちになれるから大いに結構なんだが。



「まずは、この耳かき棒がキミの耳の穴に失礼するよ」


スッ……


耳かき棒の曲がった先っちょが、俺の耳の穴に入ろうとしてきた。


「っ……!」


「あれ? なんかキミ、ガチガチに硬くなってない?」


「か、硬くなんかなってねぇよ」


硬くなってんのは男の一部だけだ。いや仕方ないだろ、決してよからぬことを考えてるわけじゃなくて、彼女の太ももの感触といい匂いでどうしても反応しちまうんだよ。


「緊張してる? もしかして怖いの?」


「なっ、誰が!」


「ふふっ、大丈夫だよ痛くないから安心して。リラックスして力抜いてね」


優しい彼女の笑顔を見たら、どんな時でも無意識に言われた通りにしてしまう俺は間違いなくチョロい。



「じゃ、気を取り直して今度こそキミの耳の穴におじゃましま~す……」


彼女の持つ耳かき棒の先っちょが、俺の耳の穴の入り口にそっと近づいてくる。



ちょんっ


「ッ!?!?!?」



耳かき棒が耳の穴のふちにほんのわずか触れただけで、俺はビクッと身体を強く反応させてしまった。


なんだ今のは。自分でもよくわからない。よくわからないが触れただけで甘美な電撃のような衝撃が走った。



「大丈夫? どうかした?」


「な、なんでもねぇよ」


「痛かった? おかしいな、ちょっとつついただけなんだけどな」


彼女は不思議そうに耳かき棒と俺の耳を交互に見た。交互に見る動きを何度か繰り返す。



「なんだよ、そんなジロジロ見るな」


「ねぇキミ、もしかして……耳弱い?」


「は!?」


「耳敏感? 感じちゃう?」


「なっ! そ、そんなわけねぇだろ」


「私が期待した通りの可愛い反応……そっかそっか、感じちゃうんだ」


「違うって言ってんだろ!」



クスクスと妖艶な笑顔でからかわれ、俺はどうしても顔が熱くなる。


敏感がどうこうとか言われてもな……こいつが相手なら俺はどこだって性感帯になるぞ。爪の先も、髪の毛の先もだ。



「ふふっ……」


ちょんっ


「っ!」


ビクッ!


「ふふふっ」


ちょんちょんっ


「ッ!」


ビクビクッ


「あはは、キミの反応おもしろい」


「おいやめろ。遊んでんじゃねぇよ」



彼女の耳かき棒の先っちょで何度も耳の穴のふちをツンツンとされて、その度にビクビクと反応してしまう自分が憎い。

くそっ、先っちょがほんの少し当たっただけだぞ。なんでそれだけでこんなに衝撃が来るんだ。



「真面目にやらねぇならもうやめにする」


「ああっ、待って。ごめんごめん。ちゃんと真面目に耳かきしてあげるから……

よし、じゃあ今度こそガチでやっていくよ。動かないでね……」


おお、真面目な顔になったな。

でもそれより豊満な下乳に目が行ってしまう。真面目じゃねぇのは俺の方だったな。



―――スッ


「―――ッ!!」



スッと彼女の持つ耳かき棒が俺の耳の穴に入ってきた。

まだ全然奥の方じゃなくてちょっとだけしか入ってないが、たぶん深さ1センチくらいだと思うが、さっきよりも強い衝撃の感覚が俺の全身を貫いた。


危ない危ない。『ふおおおっ!?』とか言いそうになってしまった。そんなん言ったら気持ち悪すぎる。俺はギリギリで声を押し殺して耐えた。



「大丈夫?」


「だ、大丈夫……」


「じゃあ、かいていくね。最初はゆっくりそーっとやるけど、痛かったら言ってね」


「わかった……」



耳の穴の中で、耳かき棒がついに動く。


ガサッ、ゴソッ


「!? な、なんだこの音!?」


まだかかれてないのに。ちょっと棒が動いただけなのに。それだけでなんかガサゴソと変な音がして俺はビビった。耳穴の中で変な音がするって怖ぇな。



「うん、かなり耳垢が溜まってるね。壁に貼りついて山のようになって、耳穴を塞ごうとしてるよ」


「なに!? 俺の耳そんなにヤバいことになってるのか!?」


「耳掃除したことないってのが納得できるねこれは。まさかここまで溜まってるとは……よくこんな状態で今までいられたね。これでちゃんと聞こえるの?」


「いや別に聞こえづらいとか思ったことはないが……」


「ふーん……この状態で慣れちゃってるのか、余計タチが悪いなぁ。このままほっといたらヤバかったかも。

でも大丈夫、この私がしっかりキレイに完璧にお掃除してあげよう」


「お、おう……頼む」


まあこいつ手先は器用な方だしな。料理も上手いし……

俺はこいつを信頼している。しているが、初めての経験だしどうしても緊張する。怖いというほどではないが、警戒心を持つ。



―――スッ


動いた。耳穴の中で耳かき棒が動いた。


ガサッ、ゴソッ


「……っ」


ザリッ、ズリッ、スリスリッ


「っ……!」


カリッ、カリカリ、カリカリッ


「っ……!!」


な、なんだこれは……!


ガサガサッ、ザリッ……



気持ちいい……!!!!!!


とにかく気持ちいい。直接甘美な刺激が脳に響く。脳が蕩けるような快感が俺を支配する。気持ちよすぎて俺の脳大丈夫なのかと心配になってくる。



―――ズッ……


そして、耳かき棒が俺の耳穴から出てきた。



「よし、いきなり大きいのが取れたぞ。見る?」


「別に見たくねぇ……」


「そっか。じゃティッシュに置いとこう」


俺の耳のとなりにティッシュが置かれ、そこにかき出したと思われる耳垢が乗せられた。

取れた耳垢は見てないが、確かにすごいでかいだろうというのはわかる。

まだ1回取っただけなのに、俺の耳穴の感覚が全然違うからだ。耳垢が取れた分だけ風通しがよくなった気がする。



「さあ、どんどんかいていくよー」


―――スッ


カリカリ、ザリザリッ


「~~~っ……!」



ヤバイ、耳かきナメてたわ。超気持ちいい。

ガサゴソという音、耳に入っていたものが取り除かれてスッキリしていく感覚……すごくいい。


耳穴をかいて取れたものをティッシュに置く、その動作を何度か繰り返す。目で見えなくてもどんどん取れていくのがわかる。



「うーん……耳穴の壁に貼りついて取りづらいのがあるね」


「は、貼りつく?」


「うん、さっきまでよりちょっと強めにかくから、痛かったらすぐ言ってね」


「ああ……」



―――スッ


グッ……


「うおうっ……!!」



俺はつい気持ち悪い声を出してしまった。さっきまで我慢していた声がいとも簡単に漏れ出た。それほどの衝撃と快感が俺を襲う。

彼女が言った通り、耳穴の壁を強めにかかれた。さっきより気持ちよさが倍増し、ヨダレを垂らしそうになった。


耳かき棒の先っちょは耳穴の壁をかきながらカリッと何かに引っかかる。普通にかいたのでは取れないこびりついた耳垢だ。



グッ、グッ

ググッ……


パリッ、パリッ……


「くっ、~~~っ……!」


こびりついていた耳垢が耳かきの匙でペリペリッと剥がされていく。

またしても強烈な快感を伴い、悶えた。


剥がされた耳垢を少しずつゆっくり慎重に耳穴から取り出していく。



「……よしっ、しっかり取れたよ。一番の大物」


「お、おおっ……」


スッキリとした開放感がヤバイ。今まで塞がっていた部分がキレイに掃除されて、耳壁が喜んでいるようだ。



「耳、どう? スッキリした?」


「ああ……すごくよく聞こえる……」


「そっか、よかった」


彼女の可愛い声が鮮明に聞こえる。ホッとしたような、嬉しそうな声なのがよくわかる。聞こえ方がさっきまでとは全然違う。こんなに変わるとは思わなくて慣れるのに時間がかかりそうだ。聴覚がパワーアップしたんじゃないかって錯覚する。



「えっと、これで終わりか?」


「ううん、全然まだまだだよ」


「まだ残ってるのか?」


「うん、まだ手前の方しか終わってないよ」


なんと、まだまだなのか。まだ続くのかって気持ちもあるけどそれよりも今の気持ちいい体験をもっと堪能できるという喜びの方が大きかった。



「次はもうちょっと奥の方をお掃除するね。絶対に動いちゃダメだよ」


「わかった」


耳かき棒が奥深くに入ってきて、俺は少しだけ恐怖を覚えた。でも次の瞬間には快楽に変わった。

ザリザリと慎重に、だけど強めにかかれ、さっきよりも脳に近い場所をやっているからか耳かきの音が大きく響く。



「っ、っ……!!」


「大丈夫? 痛い?」


「大丈夫……このまま続けてくれ」


「無理しないでね。ちょっとでも痛かったらホントにすぐ言ってね」



ああ、俺の彼女は本当に優しい。俺は嬉しい。

しかし本当に無理なんかしていない。気持ちよすぎるだけだ。気持ちよすぎていちいちバカみたいに反応するから彼女を心配させてしまって情けない。



「どうだ……? 奥の方もいっぱい溜まっているのか?」


「手前に比べればそんなに溜まってないけど、その代わり奥だから取りづらいんだよね。焦らず慎重にやるからちょっと時間かかるかも」


「わかった、よろしく」


時間かかるのは好都合だな。気持ちいいからできるだけ引き伸ばしたい。耳垢の方を応援したい気持ちさえ出てくる。……あ、いや、やっぱりダメだ。あまり時間かかりすぎると彼女に迷惑かけてしまうから。



「……うーん……奥の方見えづらいなぁ……」


彼女はそう言って、耳かきを続けながら俺の耳に顔を近づけてくる。

彼女の吐息をより近くで感じる。さらに彼女のいい匂いをより近くで感じる。心拍数がどんどん上がってきた。



むにゅん


「!!!!!!」



そして、豊満な胸が俺に当たった。

柔らかく押しつけられ、俺の心拍数は最速になる。ドキドキしすぎて挙動不審になってくる。


「? どうしたの?」


「すげぇ柔らか……あ、いや、なんでもない」


「……? まあいっか」


いいのか? 自分の胸が当たってることに気づいてないのか。自分の胸のでかさ自覚してねぇのかこいつ。俺的に都合よすぎる。マジでいいのかこれ。


まあいいや。耳かきも気持ちいいしいい匂いだし胸も柔らかいし、もう余計なこと何も考えられなくなってきた。ここは極楽か……幸せすぎて失神しそうだ。


俺が昇天しそうになってる間もどんどん耳掃除が進んでいった。



「―――よし、これでだいたい終わりかな」


「え!? 終わり!?」


昇天してたのが一気に現実に引き戻された。



「完全に終わりってわけじゃないけどね。大物はだいたい取れたってこと。まだ細かい耳垢は残ってるから、次は綿棒でお掃除していくね」


「え? 綿棒になるのか?」


「うん、粉みたいになってる汚れは綿棒の方が取りやすいから」


「そうか……俺は耳かき棒の方が気に入ったから少し残念だ」


「大丈夫、綿棒も気持ちいいよ。はい、まだ動かないでね」



―――スッ……


スリッ、スリッ……ザリ、ザリッ……



「おおお……」


スリスリと撫でられる感触。俺の耳道を綿棒が這いずり回る。

擦れる度、気持ちいい……



「どう? 気持ちいいでしょ?」


気持ちいいって決めつけてやがる。しかし実際気持ちいいので悔しいが何も言い返せない。


彼女は綿棒を俺の耳穴から取り出した。



「わっ、もうこんなに汚れちゃったよ。ホラ見て見て」


「うわっ……」


さっきまで俺の耳道を撫でまくっていた綿棒が俺の目の前に現れた。

彼女の言う通り白い綿棒が俺の耳垢の色で汚されていた。まだ耳の中こんなに汚れてやがったのか。


彼女は汚れた綿棒を置いて、新しい綿棒に取りかえてまた耳穴をザリザリ撫でる。それを何回か繰り返して、いくつもの綿棒が汚れていった。



「悪い、綿棒もったいねぇだろ」


「気にしないでよ、綿棒100本以上あるんだから」


そう言って惜しみなくどんどん取りかえていく。どんだけ汚れてんだ。気持ちよさと同時に恥ずかしさも襲ってくる。



「耳の穴だけじゃなく、耳全体もキレイにお掃除しましょうね」



―――スリ、スリッ……


「……!!!!!!」


今度は耳介の部分をスリスリと綿棒でかいてきた。

この部分も気持ちいいなんて知らなかった。未知の扉が今開かれた。


窪んでいる部分、溝の部分をスーッと綿棒で擦り走っていく。耳穴をやってきた時より強めの力で。



「どう? これも気持ちいいでしょ?」


「ッ……」


またしても気持ちいいと決めつけてやがる。なんかムカつくので気持ちよくなんかねぇって言ってやりたいのに、言えない。

この気持ちよさに抗えない。俺のチンケなプライドなど何の役にも立たない。



「……し、しかし、そんなところ掃除しても汚れてねぇだろ……?」


耳の穴とは違って外からよく見える部分だ。そこの汚れが溜まっているほど俺はズボラじゃない……


「ふふふ、甘いね。こんなに汚れているんだよ」


「なっ……!?」


取りかえたばかりの新品綿棒だったはずが、俺の耳介を走っただけでもうこんなにも耳垢で汚れていた。


マジか、外から見える部分にこんなに汚れをつけて俺は今まで生きてきたのか。ショックだ……



「ちゃんとお掃除してないからだよ。せっかくだから耳たぶも耳の裏も、耳ぜ~んぶキレイにお掃除しちゃおうね~」


スーッ、スーッ……

スリスリ……


「~~~……ッ」


耳たぶも耳の裏も、綿棒で優しくスリスリとかかれてゾクゾクと震えるほど気持ちいい。

知らなかった……耳のどこを掃除されてもこんなに気持ちいいなんて知らなかった。耳のすべてが性感帯になっているような、そんな感覚だ。



「次は梵天で取りきれなかった細かい汚れをお掃除していくね」


「……? 梵天って何……?」


「これ。この白いふわふわしたやつ」


彼女は耳かき棒の頭の部分についている、白くて丸い何かを指さした。なんか綿みたいなやつ。それ梵天っていうのか。



「この梵天をね、キミの耳の穴に入れてふわふわ~ってやっていくよ」


「え? そんなん入らないだろ」


この梵天というもの、綿棒よりもはるかに大きい。俺の耳の穴に入るとは思えん。


「大丈夫、入るよ。すごく柔らかくてふわふわなんだから」



―――スッ、ファサッ



「!」


「ねっ、入ったでしょ」


彼女の言った通り、ふわふわした梵天が俺の耳の穴に入ってきた。

そしてそのふわふわは、俺の耳の中をゆっくりと動き、優しく柔らかく癒していく。



フワッ、フワッ、モフッ、ファサッ……



「っ、っ~~~……」


耳かき棒や綿棒と比べてなんて優しく柔らかい刺激。気持ちいい。これは中毒になる。

ゆっくり上下に動いたり、クルクルと回転したりしながら俺の耳道を撫でていった。



「よし、梵天も終わり。最後の仕上げやるよ」


「ん、最後か……」


「うん、動かないでね……」


彼女の柔らかな唇が、俺の耳にそっと近づき、そして……



「ふ~~~……」



「ッ!?!?!?」


「ふ~~~……」


「~~~ッ!!!!!!」



甘い吐息をふーっと吹きかけてきた。


なんだこれ……気持ちいい……

すごく甘くて優しいのに電撃みたいな強烈な快感が全身を貫いた。


ゾクゾクする……蕩ける……指先まで全身の神経が彼女の吐息に溶かされ、俺が俺でなくなってしまいそうだ。



「ね、どう? 気持ちいい?」


「~~~ッ……」


「ふ~ってするの、気持ちいい?」


「~~~あ……っ……!」


「ふふふ……すごく気持ちよさそうだね」



今度は耳元で囁かれる。ただでさえ可愛い声なのにこんなに近くで囁かれたら、俺もう……

癒されすぎて魂が抜けた抜け殻みたいになった。



「あれ? どうしたの?」


「…………」


「おーい」


「…………」


「返事してよ~」


「…………」


気持ちよすぎて返事する気力もなくなっていた。俺は今昇天してふわふわとどこかへ飛んでいく。



「……もう。こちょこちょこちょ」


「―――ッ!? ちょっ!?」


彼女に脇腹をくすぐられて、耳かきの余韻に浸って宙に浮いていた魂が一瞬にして引き戻されて俺は覚醒した。


「こちょこちょこちょこちょ」


「ちょっ、やめっ、くすぐったい……!」


なんで脇腹くすぐるんだよ。耳かきと関係ねぇだろうが。



「キミが無視するからいけないんだよ。返事してくんないと私寂しい」


「悪い……無視するつもりはなくて、気持ちよすぎてつい……」


「そ、そう? 耳かきよかった?」


「すごくよかった」


「まさかそんなにストレートに褒めてくれるとは思わなかった……なんか照れちゃうよ、あはは……」


照れくさそうに頬を赤らめる彼女が、押し倒したくなるくらい可愛い。



「じゃあこっちの耳はこれで終わりだから、反対向いて」


「!」


そうか、まだ片方の耳しか終わってない。もう片方の耳がある。

彼女の耳かきは気持ちよすぎてそんな当たり前のことすら忘れていた。


まだ終わりじゃない。まだ半分だ。最高の耳かきをもう一度堪能できる。そう思うと自然と全身の細胞が歓喜に震えてくる。すごく得した気分だ。



「あれ、なんだか嬉しそうだねキミ」


「そっ……そんなことねーぞ……!」


本当はそんなことあるけど。


「ふふっ、こっちのお耳もちゃんとキレイにお掃除してあげるからね」



彼女の耳かきがまた俺の耳に入ってきた。

俺は再び魂が抜けるほどの気持ちいい耳かきをじっくりと楽しんだ。




―――




 翌日の放課後。



「なあ、今日も耳かきしてくれないか!?」



彼女と一緒に帰宅中、彼女にお願いしてみた。



「え、なんで? 昨日したばっかりじゃん」


「今日もしてほしい」


俺はすっかり彼女の耳かき中毒になっていた。



「ダメだよ、汚れてないのにやったってつまんないし、それに耳かきのやりすぎはよくないんだから」


「じゃあ次はいつしてくれるんだ?」


「うーん……1ヶ月後くらい?」


「1ヶ月だと!?」


1ヶ月も耳かき我慢しなきゃならねぇのか!? 俺の命に関わるかもしれないんだぞ。そんなに待てない。


しかし彼女がそう言った以上、俺は1ヶ月待つしかないのだ。

ガクッと肩を落とすと、彼女のクスクスとした笑いが聞こえてきた。



「どうせなら溜めて溜めて、溜めまくってからお掃除した方が気持ちいいよ? それに私も溜まってた方が掃除し甲斐があって楽しいし」


「……!」


なるほど、確かにそうだな。エッチの方も溜まってた方が気持ちいいのを体験済みな俺は納得した。


今からもう1ヶ月後が待ち遠しい俺であった。




―――END―――

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