第113話 滕大尹鬼断家私(抱甕老人 編集)
書かせていただきます。
【簡単な作品紹介】
前回に引き続き、中国の古典短編集「今古奇観」からの一作。
【数行で読める、あらすじ】
明の永楽年間。倪というお役人さんがいた。
彼は八十という年で跡取りもある身だったが、だ 年甲斐もなく女に惚れて、みごもらせてしまう。
これが面白くなかったのが、倪の跡取り息子、善継だ。
兄弟が増えると、父の跡を継いだ後、取り分が減ると考えたのである。
倪が亡くなった後、善継は妻と共に父が残した弟、善述をいじめて追い出そうとした。
これに不満を持った善述の母は、役所に訴え出る。
善継は裁判で有利になるために、親戚に金を送って自分の味方につけた。
裁判の行末は、善継に有利かと思われたが、ここで一発逆転の策が出てくる。
その策により勝利した善述は、大量の遺産を受け継ぎ、そのお金で一生懸命に勉学して、後に繁栄する。逆に善継の方は落ちぶれていったのだった。
【作品の特徴】
まるで江戸の大岡裁判みたいな話だけど、本作では裁判を担った役人が、必ずしも善人としては書かれていない点が特徴だ。
実は太守の遺言で、善述に財産を渡す手助けをしてくれた者には銀三百両を謝礼にするように、と言う話があった。
滕県令が裁判で善述に肩入れしたのは、この金欲しさだったというわけ。
それだけならまだした、この滕県令は強欲なことに、金千両という大金を謝礼として受け取っている。
このあたり、中国人の役人に対する認識が伺えて、面白い。
【作品の見どころ】
物語として面白いのは、八十間近のじいさんが十七の娘と結婚して、その結果のお家騒動が起こるところ。
こういうお家騒動では、残された家族は不幸になるものだが、案の定跡取りの善継と忘形見の弟善述の仲が最悪のものになっている。
最終的に丸く収まった(主人公的にはだけど)から良いようなものの、じいさんの欲のせいで不幸になった善継は報われない。
年甲斐もなくハッスルすると、ろくなことにならん、という良い教訓を得られるという点で、価値のある作品かもしれない。
【終わりに】
今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。
ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。
それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます