第112話 両県令競義婚孤女(抱甕老人 編集)
書かせていただきます。
【簡単な作品紹介】
中国の古典短編集「今古奇観」からの一作。
「今古奇観」は明末の「三言二拍」という五種類の読本にある二百編の小説のうち、特に優れたものを抱甕老人が四十集にしてまとめたものだ。
本作はその中でも、筆者が個人的に好きな作品なので、取り上げることにした。
【数行で読める、あらすじ】
時代は五代十国の頃(唐が滅びて宋ができるまでの間の時代)。
石という県令(県知事のこと)には、一人娘の月香がいた。
月香は石の失態による騒動に巻き込まれ、公売にかけられる。
月香は鍾という県令のもとで女中として仕えることになった。
ある日、鍾県令が月香を不憫に思い、高県令という人と話をつけて、高家の次男に月香を嫁がせることになった。
両県令はその義に厚い行いのおかげで、子孫も繁栄したという。
という話。
【作品の特徴】
本作に限らないが、「今古奇観」に収録されている作品は、一つの雛形にそって話が展開する。
まず入話と呼ばれるところから話は始まる。
これは本編に入る前に、本編の趣旨をわかりやすく説明するもので、講談が流行っていた頃の形式の名残りと言われている。
その次に、本編を意味する「正話」。物語を締める、まとめの詩詞である「収場詩」と続く。
基本的にこの流れで話が展開するわけだ。
現代の小説とは形式が違うので、初めて読む人は面食らうと思うが、そういうものと割り切って読んでほしい。
【作品の見どころ】
不幸な身の上の女性が最後に幸せになり、その仲介をした人もついでに子々孫々幸せになりました、というわかりやすくて読後感が良い結末が見どころ。
月並まではあるけど、物語の黄金パターンとして、鉄板の面白さがある。
人間が面白さを感じる物語の形式は、今も昔も変わっていないことを知る上でも、読んでみて損はないと思う。
【終わりに】
今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。
ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。
それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。
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