第52話 ベニスに死す(トーマス・マン作)

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

ドイツの作家、トーマス・マンが書いた中編小説。作者の実体験を元にした物語であるそうな。

映画化もされている名作。


【数行で読める、あらすじ】

有名な小説家(という設定)の主人公、グスタフ・フォン・アッシェンバッハは、執筆の息抜きで旅行をしていると、タジオという10代の少年に心惹かれる。

グスタフは少年が海辺で遊ぶ様子を眺めたり、後をつけたり、家族の部屋をのぞきこんだりといったストーカー行為をするようになる。

そんな時、タジオが住む街でコレラが流行り、住民の多くが逃げ出すが、主人公はタジオと離れがたかったので、街に留まった。結果、コレラに感染して死んでしまう。


と言う話。


【作品の特徴】

三人称小説。

物語は美少年に恋した中年男がストーカーをするというだけなので、劇的な物語があるわけではない。


主人公は少年を遠くから眺めるだけで、直接的な接触はなく、したがって二人の関係性はどうなるのか、みたいな展開はない。


ひたすら主人公に焦点を当てて、いかに少年に心惹かれているかを詳細に書いている。つまり一種の心境小説だ。


主人公の心理描写に共感できるかどうかが、作品を気にいるかどうかを分けると思う。



【作品の見どころ】

主人公の情熱的な心理が見どころ。


文体が、まるでギリシア神話のように大仰なので、主人公の情熱っぷりがたっぷり伝わってくる。情熱的すぎて、人によっては気持ち悪さを覚えるかもしれないけれど、熱に浮かされた男の心理を上手に書いているので、創作をする人には参考になるかもしれない。


【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。






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