真珠の心を持つ少年

上田のこ

真珠の瞳を持つ少年

真実を語る真珠の宝石

それはなんと純潔の宝石

嘘などないヨ微塵もないョ

白く輝くその瞳 怒り憎しみ何にもナイヨ

それはさておき置いといて

確かこれは、少年のハナし


ここに少年がいましたとさ。

少年は追放された一族のその末裔

少年ひとたび見つければ

たちまち周囲はあわてだす

狼の子だ 狼の子だぞ。

人狼の末裔の少年は 怯えられて過ごしてる。

今日もポツリと生きている。

少年は知っている、自分は蔑まれる生き物なのだ。

生きてはいけぬ生き物なのだと、少年は知っていた。

周りと自分は違う生き物だと。


少年はぽつりと生きていた。

そこに現れた一人の少女は、少女の連れてた大きな大きな狼と共に

少年に優しくしてくれた。

居場所を与えてくれました。


僕にとって君は宝石。美しいけど儚いよ

君にとって僕は何? そんなことはどうでも良い

僕にとって君は真珠だ。


彼女もまた、ずっとひとりぼっちでした。

彼女もまたぽつりと願う。

なんて願ったのかは知らないが、

僕にはわかる あれは本来存在しないと

狼の僕がゆうのだから、それは絶対間違いではない。


きっとこれは幸せな話?


少年が夜中に目が覚めた時、

辺りは既に烈火の炎で包まれて、熱帯びた少女の姿が目を過る。

少女と少年 なにかしたのか?

たくさんの村人がこういった

捨てられた少女 人の姿をした狼 そして大きな狼の化け物。

お前らは穢れている 汚れている 呪われている

大きな狼を打ち倒し、村の呪いを断つだけだ。

狼は抵抗しない。少女と約束していたのだ

何があっても、暴れてはダメ。

狼は反撃しない。されど少女と少年を庇い炎をあびる。

熱い熱い熱い。狼は烈火の炎を喰らうばかりで反撃はしない。

奴は言う 少女を頼んだ。お前にしか頼めない。

目の前で狼が燃えていくのを少女は耐えれず飛び込んだ。

火の中気にせず飛び込んだ。

狼かばって燃えている。少女も一緒に旅立った。

呆気なく。炎に包まれ死んじゃった。


村人は帰っていった 殺して満足したそうだ。

骨まで綺麗に焼けている。

どうしてこうなったのか。

僕らがなにかしたというのか。

僕らがお前らに何をしたのだ、こうゆう時だけ村の人……?人…人…?


もううんざりだよ…人間には。


少年は、空を見上げた。

空には大きくて、少女の瞳のような。

真ん丸の、美しい満月があった。


そうだそうだ、そうだった。

これは少年の…

透き通るほど純潔で…悲しいお話だったのか。

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真珠の心を持つ少年 上田のこ @nokopoki

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