第2話 適正検査
エクストラエナジーの担当者は入ってくるなり、
「今日は3人ですか‥はぁ‥また怒られる‥」と愚痴をこぼした。
続けて「身分証を確認するので、右手の埋込端末をスキャンさせてください」と言った。
大輝は、「俺 〝体外人〟」
ナッパも「俺も」
赤髪の女の子も「私も〝体外人〟ですが、何が問題でも」と答えた。
この時代、スマホ、マイナンバー、健康証明書など右手に埋め込まれていて、身分証、金銭の管理、連絡通信、娯楽など、全てが右手の埋込端末ですまされていた。
右手に埋め込まれていない者は、〝体外人〟と呼ばれ、旧来の持ち運び型の人は、貧困層の最下層にいて、就職や、公的サービスでも、差別されていた。
「体外人でしたか?今日はついてないや‥」とまた愚痴をこぼした。
3人は、それぞれ、カード、スマホを提出し、
担当者が、端末に手入力を行った。
担当者が、一通り入力を済ますと、「あなたたち、武器は埋め込んでないですよね?一応確認させて、頂きます、衣服を脱いでください」と言った。
「女性の方は別の部屋で‥」と言い終わる前に、
赤髪の女の子は、白いジャージを脱ぎ終えていた。
赤髪の女の子は、細身の白い肌に黒の下着を着けて、肩には、〝ウサギ〟のタトゥーが入っていた。
担当者は、「待ってください!着て!着て!」
と慌てている。
この時代は、性に対するハラスメントが厳しく取り締まられていて、些細な事でも、最下層に転落するからである。
赤髪の女の子は、黙ってジャージをきて、案内に来た女性社員に付き添われ別の部屋へ向かった。
この時代は、銃、ナイフ、爆薬など、埋め込まれている、法外なものもいたので、当たり前の身体検査であった。
担当者は、「次は適正武器を決めますので、シュミレーターに入っていただきます」
そう言って、大輝、ナッパを別の部屋に案内した。
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