義妹と同棲生活な日々

桜井正宗

第1話 義妹が部屋に侵入してくる

 風呂を出て俺は自室へ戻ろうとした。

 けれど今晩も義理の妹・あいは、俺の部屋から飛び出してきた。


「……愛夏、なにをしていた?」

「…………べ、別に」


 頬を赤くし、息も少し乱れていた。

 ここ最近毎晩俺の部屋に侵入してくる。


 そして俺が風呂から上がると同時に飛び出してくる。毎回これだ。


「別にあやしいことをしていなければいいけどさ」

「マンガを借りてるだけ!」

「それならいいけどさ」


 シャツ一枚の愛夏は股のあたりを押さえ、妙にソワソワしている。なんだか、汗がすごいな……?


 もしかして風邪なのだろうか?


 気になって聞こうと思ったけれど、愛夏は自分の部屋に戻っていった。


 仕方ない。

 部屋でゆっくりしようっと……。


 自室へ戻り、ベッドに腰掛けた。


 む……?


 シーツが妙に湿っぽいような。……ああ、愛夏がゴロゴロしていたんだっけ。汗ばんだだけ。それだけの話だ。うんうん。


 ふと立ち上がると隣の部屋から声が漏れていた。これは愛夏の声だ。


 なにかつぶやいているようだな。けど聞き耳を立てるのも悪いな。


 今日は寝ようっと――。

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