うりの家 【完】
猫山鈴助
第1話 創造
物を作るという分野において、私は秀でていた。
だからこんなものを作ったんだ。
面白ければいいんだ、世界なんて壊れてしまえ。
◇
水色に染まったスイカから同じく水色の水がこぼれている。私は嬉しい。
床はドロドロになっていて、白枠の窓から見える空はスマホの壁紙みたいにピンク色!
友達なんていない!もう見え透いたマジョリティの奴隷なんかにならなくていい!
うれしい!私は何にでもなれる!
ずぶぬれのドアを開けると黒い赤子ほどの大きな毛虫がこっちに走り寄ってくる。気持ち悪い、ドク虫は嫌いだ。
私は毛虫をけりとばし、大好きな少女マンガの角で殴りつけた。
ゴツン
バキッ
ゴツン
グシャ
メキッ
…
…
…
…
赤い。毛虫の血も赤色なのかとぼんやり考え、可笑しくなった。外にでも行ってみようか、とても景色がきれいだ。
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