第4話

教室に入り

自分の席に向かうと

左隣に座っていた美少女が微笑みながら

「おはようございます、鈴さん、蜜那さん」

「おはよう、朱莉しゅりちゃん」

「おはよ、朱莉」

黒髪美少女の名前は

龍縁寺りゅうえんじ 朱莉

龍縁寺財閥のお嬢様

龍縁寺財閥は

美容系の会社を幾つも経営していて

その内のひとつに

佳那お姉ちゃんが研究員として勤めている

「あっそうだ、蜜那ちゃん」

鈴は鞄の中から雑誌を取り出し

「はい、いつもの」

「いつもありがとう♪鈴」

蜜那は雑誌を受け取ると大事そうに鞄へとしまった

「いつも思うのですが、鈴さん」

「なに?朱莉ちゃん」

「なぜ1度も読んでいない[男の気持ち]を貸してるのですか?」

「えっ私はそこまで興味ないから」

朱莉はずいっと顔を鈴に近付け

「正気ですか?男性に興味がないなんて、頭大丈夫ですか?」

蜜那は苦笑いしながら

「大丈夫だよ、朱莉ちゃん」

蜜那は慌てて鈴達の間に入り

「ちょっと朱莉余計なこと言わないでよ、鈴が貸してくれなくなったらどうするの!?」

「ごめんなさい、蜜那さん」

「大丈夫だよ、蜜那ちゃん今まで通り貸すから」

蜜那は鈴の方に振り向き

手を掴み

「本当にお願いね、鈴だけが頼みの綱なんだからね」

「うっうん、わかってるよ」

「それにしても大変ですね、高校に入ったら自分のお金で[男の気持ち]を買わないといけないとなんて」

「本当だよ、お姉ちゃん達もそうだったんだって」

蜜那ちゃんは4人のお姉さんが居て

いつも愚痴を聞かされている

「じゃあ仕方ないですね、蜜那さん」

「仕方ないで済ませたくないけど仕方ないんだよ、だから鈴が貸してくれるって言ってくれた時は神様に見えたよ」

蜜那は手を合わせ拝むのを見て

鈴は苦笑いをしながら

「大袈裟だよ、蜜那ちゃん」

「そんなことない、本当にそう見えたんだから」

キーンコーンカーンコーン

「わかった、わかったチャイムが鳴ったから席に座ろ?」

「わかってくれたのなら良いの」

蜜那は納得すると

自分の席に着くと

一人の女性が教室に入ってきた

「みんな、おはよう」

この女性は

私達の担任の梅柿うめかき 梅花ばいか先生

「昨日も言った通り、今日は試験があるから名前を呼ばれた生徒は放課後に職員室に来るように、じゃあ読み上げるぞ」

梅柿先生は次々と名前を読み上げ

私達3人も入っていた


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