第3話

 あなた達は、自然を支配し、そして自然に反撃された者達である。

意味のない支配が蔓延り、そのために武力に全てを費やし、世界を我が者にできると信じて来た。

潤うものは武器商人だけだということに気付かなかったのか?

今や大地に緑は無く、灰色と化した地面に覆われ、そこで暮らすしかなくなった。


 あなた達に残されたものは、科学力と工業しかない。

それを駆使して空を目指した。

あなた達の空の周りには、地上から遥に遠い場所を行き交う飛行船。

飛行船が停まるべき宇宙ステーションがあるだけだ。


 然し、燃料にも限りがある。

今使っている核燃料にも限りがあることに気付く。

新しい燃料となる物質を見つけなければならない。

それまでの間に、核燃料を使い尽くしてしまう前に、あなた達はバベルの塔を再建し始めた。

その巨大な塔では、今や月を目指していくつもの宇宙ステーションに停泊しながら、簡単に月に移住できるようになった。


 そうやって、あなた達は星々を支配していくかもしれない。

然し、誰も、此の広い宇宙を支配することなどできない。

あなた達の星は、あなた達の住む地球で例えれば、広大な大地の上で這い回る一匹の蟻すらもない小さな星であることを頭では理解できていても、心で感じることはできていない。

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