シルバーコレクターの努力

kazanagi byo

~成長~

第1話

「二等が当たった」そう喜んでいたのは二宮二郎にのみや じろう


だ。


彼はこれまで二番目をひたすらとってきた曲者だ。


というよりも、彼は実力はあるのに一位には敵わない悲しい人だ。


そんな彼に同情できる人は2人いるのかもわからない。


そんなことは彼は気にしていない。


彼はほぼ何も考えていないからだ。


ある日、彼が得意なスポーツ(ほかのスポーツでも結果は同じだが)、マラ


ソンの大会があった。


彼は走っている間はもちろん何も考えていなかった。


結果は二位。もしかしたら何も考えていないから勝てないのかもしれな


い。そう思い始めていた。


 次の日、彼は何も考えずにトレーニングしていた。周りには岩のような


筋肉を持った巨漢がたくさんいる。


彼は筋肉がたくさんあるわけでもなくただトレーニングしているだけなの


に2位をとれてしまう。


努力しない天才みたいな感じで結構腹立つ。


そんな中あるポスターが目に入った。



 『上位大会進出も夢じゃない⁈卓球大会!』


彼は珍しくまえのめりになってポスターを見た。


 『詳細 上位が地方大会への挑戦権を得られる。』


上位二名なら自分にもチャンスがある、そう思った。


いつもに真剣に練習に取り組んだ。


 そして運命の卓球大会が始まった。


一度負けたら終わりのトーナメント方式だ。


気張っていた彼は大丈夫だろうか。


そんな不安をよそに彼は勝ち進んでいく。


ついに決勝までたどり着いた。


いつもならここで負けてしまうが、今日の彼は違う。


序盤から積極的に攻め、リードを奪っていく。


そして、マッチポイント。


(なんで二位でもいい時に一位とってしまうんだ?)


そう思った彼はなぜか怒りに震えた。


そこからペースが崩れ、追いつかれてしまう。


ついに相手のマッチポイント。…あっさり負けた。



常に二番目の男は勝てるはずがない。そう思われていた。


今回は努力をしたんだ。だからただの実力差だ。そう思っていた。


世間の目と自分の考えにずれができ始めていた。

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