解答と解説「動かないスマートフォン」
【答】
河島のスマートフォンがすり替えられている事に気が付き、すり替えた人物による何らかの犯罪行為を疑ったため。(すり替えに気付いた理由は解説にて)
【説】
この問題のポイントは河島のスマートフォンの『特徴』と樹一と河島の会話です。
すり替えられていたという前提で状況を分析すると河島のスマートフォンが動かなかった(暗証番号が合っている筈なのにロックが解除出来なかった)理由も電話を架けても無反応だった理由も頷けます。そして、それらの事実から『河島のスマートフォンがすり替えられているのではないか?』という疑問は樹一でなくとも抱くと思います。
では、犯人はどうやってスマートフォンをすり替えたのか?
この疑問を解決するに当たって一番大事なのは『スマートフォンは同一機種であれば全く同じ形状』であり、本体へ直接装飾品を接着するなどの『独創性』がなければすり替えられていてもすぐには気付けないという事実です。河島の取り出したスマートフォンは
さて、次にこのスマートフォンがすり替えられたタイミングについてですが、河島の放った「ジムに行った」という言葉からすり替えられた場所がジムであるとわかります。ジムでは運動することが前提なのでスマートフォンやその他の荷物はロッカーに預ける場合も多いですし、手荷物としてスマートフォンを持ち歩いていたとしても運動する際にはスマートフォンから目を離すことも多く、ジムのトレーナーであれば隙を見てすり替える事は不可能ではありません。また、解答では『犯罪行為を疑った』とありますが、その理由は樹一が『河島が最近引っ越している』と気付いていたためです。
河島は樹一に対して「
この時の『いま』と『まだ』という言葉により樹一は『河島が最近引っ越しをした』と気付いたのです。
いまとはつまり『
河島は大学の助教授を勤める立派な社会人です。社会人の暮らす家で『急に部屋が余る』事など普通はあり得ません。あるとすれば何らかの要因により『居住環境の変化』が起きた時です。その変化の原因ですが、河島の場合は『片付いてない』という言葉から引っ越しの可能性が高くなります。
引っ越した理由について問題文では明言こそされていませんが、スマートフォンをすり替えた男が『ストーカー容疑』で逮捕された事がその答えとなります。
つまり、ストーカー被害を受けて引っ越さざるを得なかったのです。端的に言うと、ストーカーから逃げたということです。しかし、ジムのトレーナーがストーカー行為をしているとは思わなかった河島はジムに行き、そこでスマートフォンをすり替えられてしまいました。
その帰り道で河島は偶々樹一と会い、樹一がスマートフォンのすり替えに気が付いてアドバイスした事で難を逃れましたが、気付かずにそのまま帰宅していたらどうなっていたでしょうか?
GPS機能により引っ越し先が即座に暴かれてしまうのは間違いないです。そして、その後は更にエスカレートしたストーカー行為が河島を苦しめていたでしょう。
バッグを持ち歩いている皆さん、中に他人のスマートフォンや見知らぬ電子機器が入っていないかどうかをちゃんと確認してから帰宅しましょう。
GPS機能は善くも悪くも自分の居場所を簡単に暴いてしまうのですから。
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