X-XX.Title:SM02012320
『いいよー』
『こほん。メシエです。貴様が離れてからこれが何度目の撮影でしょうか』
『破棄したものを合わせると100は越えてるよー』
『まあ今回は私が話す番なので私から説明します。貴様がこちらに残した情報端末を元に記録を残しています』
『理由はリスナーさんを構成している情報体とこの情報端末から座標と思しき部分を解析したからだねー』
『貴様という情報体が停止したことでこちらではその解析に集中することにしました』
『一応情報体の方はきちんと保存しているよー』
『貴様が停止した理由はわかりませんが、貴様が停止して以降この星には変化が訪れています。貴様のような人間と思しき情報体が発生しています』
『どこから発生しているか分からないから、リスナーさんと情報端末から得た座標に送信してるよー』
『この星に降りてきているのは私たち以外に三機。銀河系近辺を航行中に詳細不明な信号をキャッチしたという情報を元に未調査エリアに振り分けました』
『私達はリスナーさんや星の瞳、元々太陽系の調査兼監査役だからねー』
『サティも言いましたがここを離れるつもりはないので、太陽系の調査経験機を複数要請しました』
『ふふふ』
『五月蝿いですよ』
『まあそんな原因なんて星の瞳にしかないのはわかり切ってるからね』
『呼び出した調査機にアバターによる調査をさせた結果、貴様以外の人間を発見したという事ですね』
『私の代わりの調査をお願いしたのにまさか他の人間が見つかるなんてねー』
『私たち以外のアバターはサティのもつアーカイブからの提供です。また監査機権限により情報の集積も行っています』
『一つは西部大陸、一つは東部大陸北部のどこかに移動中、もう一つは極地って報告だね。座標は確認済みだよー』
『いろいろと確認はしていますが一機対応困難で救援要請を出している者がいます』
『西部大陸のコだね。救援要請出したのも当該地に現れた人間を連れての移動が困難によるもの、とだけ。通信が不安定なことから星裁の影響が強い場所のようです』
『私のログでも星裁の影響範囲内であるのは確かなんだけど、通信可能エリアだったと思うんだけどなあ』
『他の二機に関しては人間との円滑な情報交換が進められています』
『まあ情報に偏りはあるけど有益なものも多いから私達もいろいろ勉強できてるよ!』
『ああ、そう言えば重要なことを忘れていました』
『ああ、観察対象のことだね』
『ええ。マカミは成長期なのかこの空間内での飼育が困難になったので外に飼育スペースを設けています。あなたがいなくなってから少し元気がなくなっていますが、今では島で自分の縄張りを形成しているようですね』
『原生生物との衝突もあったけど上手く支配下に置いたみたい。てとてとはマカミと一緒の方が良いのか一緒に外にいっちゃった』
『てとてと……あなたは私の忠実な部下だと思っていたのに』
『ふふふ。リスナーさんがいればもうちょっと違うことになっていたかもね』
『私達はリスナーさんの治療、復元、再生が目的なんだけど、なかなかうまくいかなくてねー』
『貴様のもつ情報端末を解析し同じもので通信しています』
『私がリスナーさんが編集していたアーカイブをその情報端末に転送してね』
『恐らくですがキーは星の瞳。こちらの情報端末とあなたの情報端末が同期をしているのを確認しました』
『だからこの映像ももしかしたらリスナーさんに届いてるんじゃないかなーってね』
『ですのでこの情報端末は廃棄しないように』
『ふふふ、リスナーさん、私たちはまだ繋がってるよ! きっとまた会おうね!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます