きっと
闇之一夜
きっと
公園でキック・ブランコだ。砂場で頭部埋没だ。ジャングルジムは、危険だからもうない。
金網に「ボール遊び禁止。素振り禁止。そぶり厳禁。現金」
ベンチは、まるで歩き出すようだ。真夏にじりじり煎餅なのに、かじるな、不味いぞ。お偉がた、死ぬな、愉快だぞ。いいえとんでもない、きっと――
平気で殺人。これで政治家一人前。一人称はやめとけ。ばれていいのは雲の上。
死んでしまえば死んでしまえ。いいえとんでもない、その場にいれば、きっと――
それはもう、雷も逃げ出すボルトだろう。嵐も泣きだす懺悔だろうさ。地震すらビビって止まるぜ、ぼくの心臓よりも早く確実に。それは生きてないのに、まるで死んだかのように――
公園で楽器演奏した。おまわりが来て、阿修羅王もにこやかになる。あきれた怒りは、まるでチャップリン。
感動しろよ。あれはコメディじゃないから。ああ、初期の奴なら笑いな。ただしガキ限定な。
いいえとんでもない、映画の神様ですよ。
でも俺だったら、知り合いだったら、きっと――
神様といえば、僕は世界三大宗教徒だ。ぜんぶ冒涜して地獄堕ちだけど、そこが、どこのなんて地獄だかは、誰にも分からないそうだ。
そういえば、「誰も知らない闇のなかで、夜をなくしてしまった」と、君は泣きながら言ったね。ぼくは必死の覚悟で、一日かかって朝を見つけたときは、時すでにもう遅く、あとたった一分で日は落ちた。まっくらやみだけが、ぼくと君のあいだに、溝のように残った。
「これで代わりにならないかな(夜の)」
「なるわけねえだろう」
喧嘩しても絶望しても、ぼくらの行く先も行けない先も、ここしかないのさ。
目を焼かれた二匹の虫みたいに、どこへ飛んでっても一緒だよ、いつまでも。つなぐ手も足もなくても、きっと――
きっと 闇之一夜 @yaminokaz
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