私はラブコメなんて望んでない

りんご

ツバサ君の好きな人

第1話

「おはようアリス!」

「お、おはよう…」

だめだ。渡せないよ。

手紙を握りしめる。ラブレター…なんだけど…

やっぱり無理だ。こんなにも好きなのに。

私みたいなのと一緒にいても楽しくないだろうし。

涙をこらえる。

やっぱりアズハさんと付き合ってるのかな?

彼の名前はツバサ。

同級生で同じ組。

ずっと頭から離れない。

この学校に入学してからずーっと好き。

二年生になってもいまだ伝えられてない。

やっぱりイケメンだな。

「え~!ツバサ君超能力使えるの?!」

「そうだよ」

「何が使えるの?」

女子がどんどん質問する。

「好感度が分かるとか?」

ちらっとこっちを見る。

ばれてたーだよね~

好感度が分かる…か。

じゃあだれがツバサ君を好きか…わかる?

色々なことを考え、思い切ってツバサ君に話してみる。

「ツバサ君!」

「何だい?」

笑顔がまぶしいな。

「きょ、今日はと、とっても天気が、いいね!」

私は何やってんだ!

「そうだね。でも君には負けるけど」

「へ?」

女子ににらまれる。

「どういうこと?」

あ、声が出てしまった。

「どういう事か、教えてあげようか?」

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