第201話 デート当日

 偽ダンジョン計画は着実に進んでいるが、洞窟一本作るのに結構時間がかかるみたい。硬い岩盤が現れたら私の掘削機君を使って岩盤に穴を開けて、空気が通るように魔石を配置。洞窟が塞がらないようにする為に、土を固める作業。洞窟が開通したら、罠を作ることもしないといけないし忙しいのよね。そして、イデアさんとのデート当日になってしまった。


「藍介、この白いワンピースでいいのかしら。ちょっと恥ずかしいわね」


 私は藍介チョイスの白いワンピースを着ていた。頭には青いリボンが付いている白の帽子。この帽子かわいいわね!


「主人様〜!とっても綺麗〜!!!ねぇ〜、ねぇ〜。 獣君よりも〜、俺とデ〜トしようよ〜」


「それじゃあ、紫水今度デートしましょうか」


「えっ!!! いいの〜! 主人様俺とデートしてくれるの〜!!!」


「えぇ、偽ダンジョン作り沢山頑張ってくれてるでしょ。そのお礼よ」


「やった〜!!! 主人様とデート♡ 俺と主人様のデート♡」


「それなら、私も主人様とデートしたいです!」


「藍介もデートしようね」


「僕もしたいです!!!」


「緑癒もね」


「やりました!!! デートに向けてお尻を磨き上げなければ!」


 磨き上げるってどう言うことなのかな?


「お兄ちゃんずるい! 花茶も主人様とデートしたい!」


「花茶もデートしようね」


「やったー!」


「主人様、こちらを」


 藍介が私に風呂敷に包まれた重箱を渡した。


「藍介ありがとう」


「主人様の好きな唐揚げも準備してあるので楽しんできてください」


「この藍介が考えたデートプランもいい感じだし、藍介本当に考えてくれてありがとうね」


「いえいえ、もし何かありましたらいつでも私達を呼んでくださいね。すぐに主人様の元に駆けつけます」


「変なことされそうになったらお願いね」


「ガウガ!(乗って!)」


 クティスは尻尾をブンブンと振りながら背中を低くしていた。


「クティス乗せてくれるの?」


「ガウ!(うん!)」


「それじゃあ、乗せて貰おうかな」


 クティスの背に乗った私はイデアさんがいる私の家に向かった。


 洞窟の家にいるイデアは青雷と白桜で凪を待っていた。


「凪さんとのデート。凪さんとの初めてのデート! 緊張して来ました」


「あんた5人も妻がいたのになんで緊張するのよ」


「そう言われましても、初めては緊張するものなのですよ」


「イデアおじちゃん頑張ってね! 僕は応援してるからね!」


「青雷君、ありがとうございます。もしよろしかったら魔王軍に入隊してみませんか。もちろん、私の直属の配下という形にするので、仕事中私の傍にいてもらう事になりますが」


「僕が魔王軍! いいの! 僕イデアおじちゃんの元で仕事してみたい!」


「ちょっと、青雷! そんな危ない所に行くなんて私が許可しないわよ!」


「なんで、ねぇちゃんの許可が必要なんだよ。僕は外の世界を見てみたいんだ!」


「あんたは子供だからまだダメよ!」


「主人様と母さんにお願いしてみるからねぇちゃんには関係ないよ」


「何ですって!」


「まぁまぁ、今すぐというわけではないので、ゆっくりと周りの方達と考えてみてください。私は青雷君ならいつでも歓迎いたしますよ」


「ほんと! 絶対に僕イデアおじちゃんと一緒に外の世界を旅したいんだ!」


「私は旅というか仕事で世界中走り回っている感じなのですが。まぁ、色々な種族の方と関わる事も大切ですからね」


「ガウガー!!!(連れて来たよー!!!)」


「クティス! はっ! 凪さん! なんと美しい」


「キャー!!! 主人様が普段の半袖短パン姿じゃない!!! 可愛い!!! 美しい!!! 主人様最高に可愛い!!!」


「主人様ヒラヒラした服着てるね。動きやすそうだね!」


 私は家の前に到着するとクティスから降りた。


「よし! イデアさんデートするわよ!!!」


「はい!」


 私は藍介が考えたデートプラン通りにデートを開始するわよ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る