第5話帰れるのに帰れなくなるのって辛いわ
私はイケボゴキブリさんの話を聞き終わった。
やっと話終わった!長いわよ!
それにしても、彼もいろいろ苦労していたのね。
彼は沢山話して満足そうな顔をしていた?って、なんでゴキブリがどんな顔してるのかわかるようになってるのよ!私!
よし!次に進もう!リリアーナの話は沢山聞いたから、これからどうすればいいか聞いてみよう。彼、とっても頭いいみたいだから何かしらわかるかもね、もしかしたら帰る方法も知ってるかもしれないわ
「この洞窟の主人になったのはいいけど、私はこれから何をすればいいの?」
「主人様はどのようなことをしたいのですか?」
イケボゴキブリはキラーンと目を輝かせた
私は少し考え、大まかなやりたい事を3つ出した
「えっと、1つ目は元の世界に帰りたい、2つ目はリリアーナに復讐がしたい、3つ目はせっかく異世界に来たんだから異世界生活を楽しんでみたい」
「まず最初に元の世界に主人様は帰れるのかを調べてみますので少々お待ちください」
イケボゴキブリは持っていた本を離すと本は光を放って消えていた。
私は本が消えたのをみて少し感動した
何それすごい!これぞファンタジーね!
彼は新たな本を出した
本のタイトルは『異世界転移者の帰省方法』という本だった。
彼はパラパラと本を巡り数分で本を読み切った
読むスピードはやっ!ってか、ほんと器用ね。
「申しにくいのですが、異世界人の帰省方法はございます。ですが、主人様は精霊になられてしまっている為、帰省することができなくなってしまっています」
「精霊になったら元の世界へは帰れないってこと?」
「主人様の世界では精霊と呼ばれるものは実在していません。なので、主人様が精霊の状態で元の世界で帰った場合‥‥。その、跡形もなく実体が消え去り、意識だけが残る形となります」
「それって、幽霊になるってこと」
「はい、その通りでございます」
私はこの話を聞いて急に眩暈がした
死んでないのにお化けになるのはごめんよ
「それなら、精霊から人間に戻るための方法はあるの?」
彼はまた新しい本を取り出し
その本のタイトルは『精霊は人間になれるのか』だった
前の本と同じで彼はパラパラと本を巡り一瞬で本を読み終えた
「主人様が精霊から人間に戻る方法はございません」
「えっ、でも、私さっきまで人間だったから精霊から人間に戻れるはずでしょ」
「精霊から人間になることはできます。ですが、主人様はこの洞窟の主人としての権限を持っている為、精霊から人間になる儀式をしても人間に戻れなくなっています」
「じゃあ、その権限を破棄することはできる?」
「それはやめといたほうがよろしいかと」
「なぜ?」
「現在主人様は洞窟の主人の権限を持っているので、周りにいる者達に襲われずに済んでいます。もし、権限を破棄した場合、ここにいる者達が敵とみなし襲いかかってくるでしょう」
私は私を囲っている虫達をみた
この虫達が襲ってくる事を考えたらとても怖くなってきた
「それなら洞窟の外に出て破棄すれば」
「貴方は権限を持っているので、洞窟から出ることができない身体になっています。なので、主人様は権限を破棄し私達に殺されるか、そのまま共に生活をするの2択しかない状況です」
「待って、他の誰かに権限を渡すことってできないかしら?」
冗談じゃないわ、虫達と一生共に暮らすなんて嫌よ
「それも難しいかと」
「なんで難しいのよ」
「理由は、神に会い異世界人を呼ばないといけません、今の貴方に神と会うことができますか?もし、仮に神と会えても、このダンジョンに適した人物の選定があり、リリアーナの場合ですと200年ほどかかりました。なので、直ぐに権限を渡すことはできない仕組みになっています」
「そうなのね、ちょっと考えてもいいかしら」
「主人様、リリアーナの復讐方法を探すのにかなり時間がかかりますので、私達の自己紹介をしてもよろしいでしょうか?」
イケボゴキブリは沢山の本を取り出し
本を読み始めたていたが、まだ話足りなそうにしていた。
少し一人にして欲しいのになぁ‥。
それなのに何故!自己紹介しようとしているのこのイケボゴキブリは!
私は今!絶望しているのよ!
さっきの話聞いて、まぁ、帰ることが難しいっていうのは、そうよね、異世界転移系は大抵、元の世界に戻れない話が多いから仕方ないと思うんだけど、元に戻れる方法があるのに私は適用外ってなんなの?
他の人達は異世界楽しんで、それじゃあバイバイで帰れるんでしょ?
それに、権限を渡すためには神に会わないといけないってどういうことよ!てか、神!
なんで私を選んだの!
ただの一般人なのよ!
頭もいいわけでもない、身体能力も平均‥だと思う。
そんな私に何を期待しているの?
虫達と暮らしていかないといけないってゴキブリに言われる気持ちわかる?絶望よ!絶望!
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