親愛転生

シュミ

プロローグ

僕、佐藤 朔は幸せというのを感じた事がない

親からの愛情も友達との友情も恋愛感情さえも。


母さんからは毎日のように殴られ口を開くと罵詈雑言の嵐。父さんは物心着いた時にはいなかった。


学校では友達なんて一人もできなかった。みんなからは避けられ

一部のやつからはいじめられた。でも一度だけ僕なんかに気さくに

話しかけてくれた女子がいた気がする....。


当然だが大切だと感じた人なんていなかった。


そうして僕は17歳の時おかしくなってしまった母さんに殺された。





そうして僕は転生した。魔法が飛び交う世界に。新しいくシンという名をもらった。この世界は僕にとって始めてことばかりで毎日大変だ。でも前世で感じれなかった感情がここでは感じられる。新しい自分を見つけられる。


この世界で僕はたくさんの人と出会い別れた.....。


僕をとことん愛してくれた両親。


尊敬できる大好きな兄さん。


大切な友達。


そして.....。


「シンくん、ほら行くよ!」


いつも笑顔で僕のそばに居てくれる一人の少女。

亜麻色の癖のない髪を肩程まで伸ばし

髪と同じ色の瞳はとてもやさしく綺麗に輝いている

そんな彼女の名はアイ。

始めて死なせたくないと心から思った僕の大切な人。


「今行くよ」


僕は彼女の方に走って向かう。


「今日の訓練、私と戦おうよ」


「なんで?」


「だって他の人にお願いしても断られるんだもん」


頬を膨らまし嘘っぽく怒るアイ。


「そりゃあ普通一つしか使えない魔法を七つも使える奴と戦おうと思うやつなんていないだろ」


僕は苦笑混じりにそう言う。


「それを言うならシンだって一つじゃないじゃん」


またも頬膨らますアイ。今回は冗談じゃ無さそうだ。


「良いよ。相手になってやる」


「ほんとに!」


目を輝かやかせそう言うアイ。


「ああ。ボコボコにしてやるよ」


「それは私のセリフ」


僕とアイはお互いに睨み合った。


僕は彼女を守りたいと思った。この世界なら幸せに暮らせるとも。

だから絶対に生き残ってやるこの異世界で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る