第4話


 そうそう、私には性別がない。


 それから、寿命も。


 それは生物学的な意味でだが、私の細胞の先祖は、アメーバなどの微生物や海綿動物、腔腸動物(クラゲ,サンゴなど)や扁形動物(プラナリア,ヒル,サナダムシなど)の原始的な生物圏ということになっている。


 つまり、生理的寿命(整えられた環境下で他生物による捕食等がない場合の寿命)は存在しないんだ。


 この前試しに学校の屋上から飛び降りてみたのだが、痛くも痒くもなかった。


 一応痛覚はあるんだ。


 だけど「人間」に比べたらその感覚の範囲はかなりアバウトで、ちょっとやそっとのことじゃなんともない。


 触覚はかなり敏感ではある。


 地面の硬さとか人肌の温もりとか、感じようと思えばいくらでも感じられる。


 そこのコントロールは自由に利く。


 人間の「触覚」のレベルにまで調節することも、今となっては可能だ。


 まあ、それはあくまでデータ上での話で、実際にそのレベルになれているのかどうかを、確かめることはできないが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る