第2話
博士が言うには、私は『何にでもなれる超生物』らしい。
何にでもなれると言うのは文字通りの意味だ。
物質系のものであればなんでもなれる。
質量には限りがあるが、その範囲であれば“なんにでも”。
なんで私を生み出したのか、一体なんの研究をしていたのかを、博士の研究室で調べようとしたことがある。
けど、よくわからない。
小難しい化学式とか数式とか、そんなものがノートにぎっしり埋まっているのだけれど、生憎まだそんな知識が頭の中にはなく、理解ができない。
1つわかっているのは、博士がある人間を蘇らせようとしていることだけだ。
直接聞いたことはないんだが、ずいぶんと昔に大切な人を亡くしてしまっているみたいだった。
写真が、博士の書斎にある。
盗み見た資料の中に、その「人」の詳細が載っていた。
名前とか、出身地とかの。
私を生み出したのは、きっとその人を蘇えらせようとしているからなんじゃないだろうか?
ようするに勘ってヤツだ。
まあ、確証はどこにも無いのだが。
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