Dissocionym fragment(仮題)

片坂 果(千曲結碧、他)

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魂の一部のパッチワーク。

切っ掛けは転生した一日目に与えられた魅了魔法。それによって彼女の立ち位置が不審者から親密な人間へとなったのが原因。


物理現象として転生体への定着が遅れて外気中に漂う他元世界(毎秒単位で多層状に増幅する世界群。総数は不明であるものの規定されている並行世界にそれぞれ存在する。)の生物が寄り、辿り着かぬようにする神経毒(これも各世界に存在する)。をフィルタリングし完全にこの世界の一部になる設定をする間の隙を縫われ、上書きをされた。

それを決定づけたのは色魔を疑似的に再現している彼女と交わりを二度も重ねた事にある。彼女にとってはスキンシップのつもりだったが過程の順序から肉体は食事であるとし、しかも半端なまま終了した。

本来命ごと生命力を喰べやすいように奪い取る術式だった所有権の取得と移譲だけが残り、そして上書きをされたこちらは愛情の一部であると錯覚した。


 知識として知ってはいても心の底では私は彼女を外見から人間であると誤認し、肉体の繁殖機能も彼女を心を受け入れてくれる存在であるとした。

つまりサキュバスも魔法も、異世界という概念でさえも虚構である。自分は幻覚を患っていて、関わっている者は皆そう振舞っているのだと思い込んでいたからこその誤作動(それでいて前世とかはあると思っている)。

その後情報の交換が成され具体的な人生経験、専門用語等を理解した。当時は情報量から口調といった不具合が生じていた。


役割を忘却した生体兵器。


艶角についての詳細

・・・約250年程前に魔王によって殺戮された勇者というある一定の感情の指数が突出し魔法を構成させる媒体である血液に漏出した概念の崩壊を可とした人間の五人が二つの魔法に加え三人が人柱に立ち遺したとされるエネルギー循環装置を安定させる五つの制御器機を意とする単語である。

浄化というより呪い。結果的にそれは魔王を退けはしたが異界と現界の境に侵入のみを許す壁を創っただけで、しかも代償に人類の三分の二を捧げていた。

戦況を遮断し諜報戦で優位に立ったのはいいが焼け石に息を吹きかけるようなものだと当時は相当な評価を受け、以来暗黙の了解として隠匿された。


勇無き者の遺した恣志しし


彼女に埋め込まれているのはそんな恒常性を強制する魔法の一部。


世間的な意味だけじゃない、度を越した肉体再生力に個人を絶対に損壊させない世界を拒絶する隔離室のような魔法。


それでも艶角は一部分だけで効力も何十分の一。

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