底を目指して

ばつ

第1話

 20XX年、「それ」は突然現れた。


 産声を上げるかのようにモンスター達が「それ」から溢れ出し、暴れ回った。


 どうにか鎮圧する頃には数千万の人々と国家予算の何割かが必要なほどの甚大な被害となった。


「それ」は「ダンジョン」と呼ばれ、各国は内部に人を送り込み、調査していった。


 調査の過程でモンスターを倒すと身体能力の向上や魔法を使えるようになることがわかった。


 モンスターからは魔石と名付けられたエネルギーの塊のような物質が発見され、それを使用することで今までの発電方法を軽く上回る発電量を確保しつつ、二酸化炭素や放射能等のデメリットの無いクリーンな発電を可能にした。


 また、モンスターの亡骸やダンジョン内で発見される鉱石やアイテムも、現在の科学技術では実現不可能な効果や効能が認められ、様々な分野での利用が期待された。


 各国はダンジョンを資源の宝庫と呼び、後に探索者と呼ばれる者達を官民問わず広く募集し、そんな探索者の為の組合や法律を作り、探索者という職は広く認知されていった。




 それから数十年後...

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