第19話 過去、現在、そして幻の過去
みなさんはありますよね?
数ヶ月前の自分の作ったものが、まるで別人が書いたものに見えるってこと。
小説とかに限らず、仕事とかでもよくあることです。
「誰だ、こんなアホな設計したのは💢
……あ、俺か」
今、私は数ヶ月前に書いた小説をリライトしています。
ギャルがパラレルワールドに転生するこれまた癖の強いやつです。
それを書き直す前に一度読み通したんですよね。俗に言う推敲っていうやつですね。
そうしたら、出るわ出るわ修正点の数々。
出るわ出るわ、これから来る修正地獄への恐怖の涙。
たった数ヶ月前の作品でこんなに変えないといけないところがあるのは、いくつか理由があります。
1つは、筆が遅すぎて自分でも途中でだれてたから
1つは、最初に作った全体のプロットが甘くてたまに行き当たりばったりで進行したから
1つは、進行中に書き方を変えたから
ただ、そんなことはどうでもいい。
一番大きな問題は、私が成長してしまったってことです
てれれれっててってー
この一年くらい、私は自分の作品を実験台に半ばしてきました。
慣れないジャンルに挑戦してみたり
プロットの建て方を変えてみたり
らじばんだり
そういうことをしてるので、作品が数ヶ月前でも大幅に違っていて、まるで別人が書いたようにみえたのです。
こういうことが起こるのは、成長の証とポジティブに捉えてももちろんいいんですけど
なんか、なんでだろうなっておもったんですよね。
別人が書いたように見えるって、さすがにおかしくないかな、と。
記憶力の問題もあるにはありますけど、
でも、たった数ヶ月前ですもの。さすがに自分の実力は大体イメージがつきます。でも、それ以前だったんですよね。
まだそこなの?みたいな。
んで、みかんをたべながら、
人間って、過去の自分の実力をさっぱり全然都合よく考えてるんじゃないのって思ったんですよね。みかんをたべながら。
だって、例えば人間が、過去の自分の出来を正確に覚えている生きもんなら、
「なんでこんなとち狂った設計を……?」
とはならずに、
「うんうん、当時はこう考えてたもんね。それもまたアイカツだよね」
って慈愛に満ちた眼差しで自分を受け止められるはず。
また仮に、人間が過去の自分の力を本来以下に、卑屈に捉えていたら、見直した瞬間に、
「あれ、俺、意外とこんくらいのスキルあったんだな」「やるじゃん俺」
になるはず。
そうではなく、「なんだこのタコアホアンポンタン」みたいに思うのは
人間ってのは、過去の自分を、本来以上に賢く、今の自分のレベルの少し下くらいって「都合よく」考えてるからなんじゃないの。と
バイアスってやつ。
そうおもったわけです。
だから、過去の自分のダメなところを発見した場合、
「なんでこんなに下手なんだ……」
って凹むよりは
「自分の今の考えがバイアスに満ちてて、だいぶ良く考えてたんだな」と
「これが元々正確な実力だったので、今から叩き直しましょう」と
捉え直す方が有意義なきがしました。
過去っていうのは、現在に戻ってきた瞬間に、粉飾されて過去にまた戻っていくのでしょうね。
きっと、あんまり正確にダメな自分を覚えて後悔ばかりしていたら、はるか昔の人類はサバンナを生き抜けなかったのです。この嘘は野生の知恵なのです
だから、この野生を生き抜く知恵には乗っかるとこだけ乗っかって、
でもバイアスかかってるんだよってことをちゃんと把握しておけば、
私もきっとこんなにギリギリになるまで小説を放置はしなかったでしょう号泣ぴえん修正地獄えぐち
15分です。
しれっと再開しました。
よろしくお願いします
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