第3話 遠くの花火

夏祭りの日が近づくと、町中の興奮も高まってきた。夏祭りの前夜、ミナとレオは秘密の練習のために学校に集まっていた。ふたりは今夜、最後の練習を終える予定だった。


しかし、その日の練習はなんとなく調子が出ない。ミナは歌詞を忘れたり、レオのピアノの音が合わなかったりと、何度もやり直しをしていた。


「ごめん、なんか緊張してるのかな…」ミナは少し落ち込むように言った。


レオは彼女の手を取り、「大丈夫、明日はきっとうまくいくよ。」と励ました。


その後、ふたりは校舎の屋上に出て、夜の風を感じながら休憩を取った。すると、遠くの方で花火が打ち上げられる音が聞こえてきた。


「明日は、この学校からも花火が見えるんだよ。」レオは夢見るように遠くの空を見上げた。


ミナは彼の隣に座り、「私たちのステージも、あの花火のようにキレイに成功するといいね。」と言った。


ふたりはしばらく、遠くの花火を見ながら、明日のステージに向けての期待や夢を語り合った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る