「部活の恋、夏の約束」

シュン

第1話 初夏の出会い

夏の始まりを告げるような暖かい風が、学校の窓を通り抜けていった。ミナは教室の一番後ろの席で、友達と夏休みの予定について話していた。


「ミナ、夏休みは陸上部の合宿で忙しいんでしょ?」サヤカが聞いた。


ミナは笑いながら答えた。「うん、でも合宿は楽しいから大丈夫!」


その時、教室のドアが開き、音楽部の部長・ユリが入ってきた。彼女の後ろには、初めて見る少年がいた。


「みんな、これが新入部員のレオくん。彼はピアノが得意なんだって。」ユリは得意げに紹介した。


レオは少し緊張した様子で、クラスのみんなに挨拶をした。ミナは、彼の真剣な瞳と、ピアノに対する情熱を感じ取った。


放課後、ミナは陸上部の練習のためにグラウンドへと向かった。練習を始める前、彼女は少し休憩をとり、学校の裏庭にある木陰へ行った。


木の下には、レオがピアノの譜面を見ながら歌を歌っていた。彼の歌声は、静かな裏庭に響き渡り、ミナはその場に立ち止まって聞き入った。


歌が終わると、レオは気付いたのかミナの方を向いた。「あ、君は…」


「ミナ。陸上部のミナ。」彼女は少し照れくさい気持ちで答えた。


「レオ。音楽部の新入部員。」彼も照れ笑いを浮かべながら自己紹介した。


二人はその後、お互いの部活動や夏休みの予定について話し合った。夏が始まったばかりのこの日、二人の特別な関係がスタートしたのだった。

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