第26話 春人くんとデートが楽しみ💖 亜美視点

「ふんふん♡ 明日のデートが楽しみだなあ!」


 土曜日。


 明日のデートに備えて、お買い物です。


 服を買いに来ました。


 先週、春人くんをデートに誘ったらOKしてくれました。

 

 あの泥棒猫(桜庭)に先手を打たないといけません。


 油断もスキもありませんから。


「本当にカエデくんが好きなんだね」

 

 同じ事務所の友達、兎夜ミアちゃんに付き合ってもらいました。


「でも、社長とかリスナーにバレたらヤバいよ」

「いいんです。その時は、あたし引退して春人くんのお嫁さんになりますから」

「もったいないよ。マリルちゃんなら芸能界に入れるのに」

「春人くんのものになることが、あたしの幸せだから」

「へー相変わらず変な子」


 ミアちゃんは、あたしが何を言っても引いたりしません。


 ありのままを受け入れてくれる、一番の友達です。


『おい……あそこにめっちゃかわいい子いるぞ』

『アイドルとかモデルとか?』

『声かけよう』


「そこのお姉さん! 俺たちと一緒に飲まない?」


 大学生3人がナンパしてきました。


「えー? どうしよっかなー?」


 ノリのいいミアちゃんは返してあげます。


 でも、


 あたしは、ナンパが大嫌いです。


 それに、


「は? あたしには愛する最高の男性、春人くんがいるんです。春人くんのためなら、人も殺せるし死ぬこともできます。あなたたちは春人くんの足元にも及ばない、ゴキブリです」


『おい……この子、なんかやべえよ」

『ガチなやつだ……』

『逃げようぜ』


 モブたちが退散しました。


「マリルちゃんのデュエルモード、怖すぎ」

「えーそうかな?」


(春人くん以外の男性に声をかけられるなんて……気持ち悪くて死にそうです)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る