第6話

「これだけ集めればいいだろう」


 一ヶ所に集めた石の山に取引トレードで調べてみる。


「おお!! 魔力値2800!!」   


「すごいけど、それいきなり全部取引トレードしないでよ。 死んじゃうわよ」


「ああ、さすがにそれはやめとく...... で交換できるのはストーンエッジ、アイスシェード、サンピラーの魔法スクロール、グラディウス、ガラスの兜、リーフシールド、フルポーション他色々」


「見たことがないものばかり...... でもフルポーションなんて話でもあまりないわね。 それで柱とか家とかはないの?」


「そうだな。 リストが大量で頭が混乱しそう。 あっ、あった。 ガーグの木造の家1000、白皓石造りなら3500。 壁はリングの木壁400、石壁は600...... 大きさはだいたい上下左右俺の腕を広げたぐらいかな......」」


「それってもっと詳細はわからないの?」


「頭にイメージが入ってくるんだけど、形やだいたいの大きさなんかが判別できるぐらいだ。 普通に頭に映像を浮かべるぐらいの精度だな」


「それなら、細かな用途や効果はわからないわね......」


「まあ、実際使って試すしかないか...... 一回家を建ててみるか」


「そうね。 魔力値1000だと、今のコウミなら反動も少ないはず」


「よし取引トレード木造の家......」   


 目の前に小ぶりの木の家ができた。 


「ふぅ、成功」


「いいんじゃない! 入ってみましょう」


 中は二部屋ある。  


「さすがに風呂はないな」


「そうね。 でも一人、二人だったら住めるわよ」


「だな。 ここをベースに町をつくって、いずれ国にしよう!」 


 ドーン!! 


 そう時壁に衝撃が走り、家が大きく揺れた。


「なんだ!?」 


「何かが...... ほらみて!」


 窓からのぞくと、俺の二、三倍の大きさの岩のようなものが家へぶつかってくる。 その度、家が大きく揺れる。


「あれはロックピッグ!! モンスターよ! 逃げましょう!」


「くそっ! せっかく家をたてたってのに!! せめて何かしてやらんと気が済まん!」


「なにしてるの!! 早くこっちへ!」


 俺は集中して取引トレードで調べる。


「この家は500になるのか、使った半分、魔力が失われるんだな...... 500でなにか、これ...... よし!」


 モンスターは家を破りこちらに突進してくる。


「よし! 取引トレード石柱!」


 突如家が消え、代わりに巨大な石の柱が現れる。


 ドゴオオオン! 


「グオオア......」


 モンスターがその柱にぶつかり、崩れた石に潰された。

 

「なんとかやった。 うっ......」


「大丈夫!? 魔力の使いすぎね。 早くはなれましょう」


 アンナに肩をかり町まで戻った。



「おはようアンナ」


 次の日、宿で眠ると頭痛は収まっていた。


「おはようコウミ、体は大丈夫?」


「ああ、魔力は寝るとかなり回復するな...... だがこれからどうするかだ」


「ええ、モンスターがやっぱりいたわね。 いくら家をたてても壊されたら無駄になるわ」


「防ぐための壁をたてても、完成するまで何十回かの往復がいるしな。 その間に壊されそうだ。 だったらやはり魔法だな」


「魔法?」


「魔力は使えば最大値が増やせるだろ。 取引トレード量を増やすにも魔法があれば増やせるし、もしモンスターに襲われても戦える」


「それなら、どういう魔法があるか知らないと...... ということは王都にある図書館だわ」 


「なるほど、交換してたら使えなかったら無駄だしな。 よし早速王都に向かおう!」


 俺たちは王都に馬車を飛ばした。



「ここが王都」


 数日かかり、町をいくつか通って王都についた。 そこは人であふれ、高い建物が並ぶ。


「ええ、アバレス王国、王都アジェスよ。 ほらあそこに王宮があって、手前に大きな建物があるでしょ。 あれが王立図書館」


 たしかに城とその城壁がみえた。 手前に高い建物もみえる。


 図書館につくと、大勢の人がひっきりなしに入っている。


「ここか、でも勝手にはいれるんだな」

 

「ええ、王さまは民が知識をえられるほうがいいと考えて、ここを無料で開放しているわ」


「へぇ、それは助かるな」


 中にはいると全ての壁びっしりに巨大な本棚があり、本が並んでいる。


「これは...... すごいな」


「ええ、蔵書は世界一らしいわよ。 この国は剣と本の国なんて呼ばれているから」


 俺魔法の種類の本を求めて館内を歩き回る。 


「はぁ、はぁ、広すぎるし多すぎる」 


「そ、そうね。 確かにこの中から魔法の種類の本を見つけるなんて難しいかも......」  

 

「司書に聞いてみよう。 これは俺たちじゃ見つけられん......」

 

「ああ、魔法ですね。 あそこらへんの本棚です」


 俺たちがそう聞くと、カウンターにいた司書は指を指し、めんどくさそうにいった。


「種類とか書いてある本ってある?」


「あると思いますが、正直多すぎて把握はしておりません」


 そうにべもなくいう。


「ねえ......」


 そういってアンナが肩を叩く。 本棚の片隅に座り本を読んでいる少女をみつけた。

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