第7話 コーヒー栗
いただきものの栗がまだ残っていました。
半茹でして冷蔵してあるとはいえ、早く何とかしないと悪くなってしまうので三連休に重い腰を上げました。
いただきものにケチをつけるつもりはないのですが、今回の栗は茹でている時は香り高いのですが、食べる時には風味がぼやけるような栗でした。
日にちも経っていたからかもしれません。
それでも、加工をすればいいかと栗を茹でながら色々考えを巡らしました。
茹でた栗を触れるくらいに冷ましてから、鬼皮に包丁の角で切れ目を入れてからざっくりと半分に切ります。
それをスプーンでほじくり、中身を丼に出します。
面倒くさがりの上に要領はあまりいい方ではないので、テレビを観ながら13個分をほじくるのに30分以上かかりました。
他の人ならもっと早く終わると思います。
フープロの調子が悪いので、今回はぶんぶんチョッパーを使いました。
粉にはなりませんでしたが、頑張ってざらめサイズにまでしました。
そこに素焚糖と塩を入れてざっくり混ぜてから、豆乳、蜂蜜を加えます。
分量の半分はそのまま栗かのこに、もう半分にはインスタントコーヒーを混ぜてコーヒー栗かのこにしました。
栗かのこは、栗そのものの味が出るので、やっぱりちょっと風味が足りないような気もしました。
ですが、コーヒー栗かのこの方は、苦味とコーヒーの香りが加わったことで栗の風味が際立ったようになり、2回くらい味見しました。
翌日、トーストにつけて食べたらパンの香ばしさもあってあっという間に食べてしまいました。
家族はスプーンでそのまま食べていましたが、美味しかったようで気がついたらほとんどなくなっていました。
おせち料理の黒豆にインスタントコーヒーを混ぜて食べるのが好きだと、以前のエッセイでも書きましたが、それに似ているかもしれません。
砂糖や蜂蜜の甘味とコーヒーの苦味、そして黒豆や栗のほっくり風味はとても相性がいいと思います。
パンにも合うし、ホットケーキやスコーンにもいいし、バニラアイスに添えると秋らしさが出ていいかもしません。
今回インスタントコーヒーでしたが、ココアを混ぜても合いそうだと思いました。
ふと思いついてやったことでしたが、結果オーライでした。
栗の調理はお風呂に似ていると思います。
入る前は面倒くさいのですが、入ればさっぱりして悪い気分にはなりません。
栗も始める前は気が重いのですが、出来上がりが良いと気分上々です。
もし棚上げしていることがありましたら、過ごしやすい陽気になりましたし、是非重い腰を上げて片付けみてはいかがでしょうか。
案外、さっぱりするかもしれませんよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。