第4話 鰐の正体
6月20日(月)
鰐の正体は
右近は
てんかんは、数十秒間にわたり意識がなくなる発作で、 けいれんを起こしたり、倒れたりはしない。
話をしたり、何かをしている時に、突然意識がなくなり、急に話が途切れたり動作が止まったりする。だから、何で倒れたのか気になって仕方がなかった。目が覚めたとき、あの2人に鈍器みたいなもので殴られたんじゃ?と思ったが、頭から血などは出ていなかった。
まるで、英介が『復讐なんてやめて!』と言っているみたいだった。
織部のアジトは浅草にある。浅草の通りには寅さんやロッパのブロマイドが電柱に貼られてある。水谷豊などの手形があった。高橋英樹の写真が飾られた料亭があった。しがない派遣社員の右近にはあまり縁がない。
織部のアジトには様々な武器があった。APS水中銃というソ連製の銃はユニークだった。26発撃て、弾丸は運動エネルギーを失わないように矢の様に細く作られている。
30万も払ったんだからきっと菊川を殺してくれるはずだ。あんなオンボロ会社に入らなかったら英介は死なずに済んだ……浅草駅の前に立ちながら右近は溜め息を吐いた。
丹羽はつくば市に住んでいる。夕陽が眩しい。サングラスを持ってくるんだったな。
6月23日(木)
丹羽は自動車工場の食堂で、昼食の牛丼を食べながらニュースを見ていた。隅田川で菊川の遺体が見つかったらしい。丹羽はほくそ笑んだ。丹羽は食事を終えて、仁木英之の『クラスの残光』という時代小説を読んだ。
目眩を感じたのでうつらうつらしていると、上司の猿川が「ちゃんと寝てるのか?」と心配してきた。
「上の階の奴がうるさいんですよ」
てんかんのことは猿川たちには話していない。前は食品工場で働いていたが、てんかんが発覚して仕事を切られてしまった。
6月26日(日)
『笑点』を夏美は自分の部屋で見ていた。司会者は歌丸だ。本来は面白いのに、夫が不倫をしているのが確実となった。私立探偵の
時間は過ぎた。2012年、夫と別れた夏美は『Sirius《シリウス》』というマッチングアプリを初めた。そこでパイナップルという男性と知り合った。髪がボサボサの男で4月15日、浅草駅前で待ち合わせた。ポカポカしている。まだ11時だが腹が減った。パイナップルは本名は緒方と名乗った。ガソリンスタンドで働いているらしい。浅草駅は浅草寺の門前町として観光地および繁華街となっている。また浅草駅は東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線と東武伊勢崎線の浅草駅が位置しているほか、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスの浅草駅とも近接している。東京都区部と北関東を結ぶ東武鉄道の特急列車の拠点となっている。
「夏場は体が真っ黒に焼けるんですよ」と、緒方は喫茶店でクリームソーダを飲みながら言った。
「そうなんですね~」
夏美はホットコーヒーを飲んでいた。
そのあと、シティホテルに入った。緒方のものは凛々しく、赤黒くなっていた。夏美は口いっぱいにペニスを含み、チュパチュパ音を立てて奉仕した。緒方は口の中に出した。青臭い匂いに噎せそうになった。交わりたかったから、少し嫌な気持ちになった。緒方はエッチなビデオを見て、勃たせようとした。海辺であまさんと漁師がセックスする設定の奴で、緒方は手でシゴいている。復活した息子を陰唇の中に挿入し、激しく腰を動かした。久しく夜の営みをしてなかったので腰が痛かった。
「アァッ!ナカニィッ!ナカニィッ!」
「オウッ、オウッ!」
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