「もう一度勝負だ！」

「？やだよ……もう何度やってんだよ　もう俺の勝ちでいいじゃねーか

　何で何で何で筆記テストの点数如きで上下決めてんだよ　こんなもん覚えている範囲が出るかどうかじゃねーか　マークシートだし

　世の中にはこんなテストなんか一々出されない程の天才だっているんだよ　下々の俺らが競ったって団栗の背比べだ

　大体筆記テストだからいいようなものの、真剣勝負だったら競うも糞もなく、最初に勝った俺がお前の脳天から股迄真っ二つにして終わりだよ　判ったかこのゾンビ野郎

　抑々何で負けたお前が再勝負とか決めてんだよ　糞下らない勝負に無理やり参加させられた挙句俺に其の辺の決定権もねえのかよ

　特に俺が得る物もないし……お前が勝った時お前が、お前だけが嬉しいってだけじゃねーか

　結局そんな自己中だから彼女だって俺に付いてきたんだよ　成績なんざ関係ねえお前の糞みたいな性格直せよ

　大体勝負にもなってないしな……お前の勝負基準だと俺の7勝0敗じゃねーか……少なくとももっと勝負になる分野で挑めよ

　ってもお前運動音痴だし顔も、まー贔屓目に見ても中の下って所だろ？俺だって自分を其処迄美化してねーが少なくともお前よりは身綺麗にしてるわ

　お前もう一寸周りの目とか気にしろよ　迎合すれって訳じゃねえが家族に迄呆れられてるじゃねーか　この間妹さんが真っ赤な顔してもじもじしながら告ってきたが、お前の事を聞いたら滅茶文句言ってたぞ　内弁慶な所も直せよ

　因みにこれは妹さん公認で喋ってるからな　この間道端で会ったお前のおばさんも」

「……あ、あの……全て正論なのは判るけど、もう勘弁してやってくれない？」

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