第396話 町に帰還




救援活動という大役を果たして町に到着した。



とてもすがすがしい。


そして、2週間ちょっと離れただけなのだが、懐かしく感じる。



町長屋敷に到着の報告にいくとなにやら揉めていた。


屋敷の外からそーっと覗いてみる。

「どうしたんだ兄弟」

「「「どうしたっすか」」」

ノモコズもマネしてのぞき見する。



屋敷の中では

バキュームチマキ商会の部長ウアニンナイサ君が泣きながら抗議していた。


盗み聞きしながら様子を見ていると


ウアニンナイサ君はワイコを連れていかれスーパーブラック社畜号に乗れないため、チマキ町長が手配してくれた馬車屋からレンタルで借りた馬車で卸し業務をこなしていた。


しかし、在庫が残りわずかになり、

町長もいないのに在庫が切れたら・・・

部下二人と先行き不安になっているとき、町長ズが帰って今の状況のようだ。



ウア「うわーん(泣き崩れるウアニンナイサ君) もうこの仕事やめます」


チマ「それはだめだ きみは部長なのだ 簡単に仕事を投げ出していいのか」



「投げ出します」


「部長がそんなことを言ってはいけない」



「こんなブラックな職場は冒険者よりもひどいですよ」


「あきらめてはいけない 剣聖イザンアさまが言っていた。最後まで希望を捨ててはいけない あきらめたらそこで・・・」

チマキ町長は言葉につまった。



「そこでなんですか?」


「なんだっけ?・・・左手をそえるだったかな?」



「意味がわかりませんよ!なんであきらめたとき左手をそえるんですか」


「まあ どんまいという意味で肩に左手をそえるのだろう」


いい加減なチマキ町長だった。



しかし、ウアニンナイサ君を辞めさせるとバキュームチマキ商会はたいへんなことになるので何が何でも辞表は提出させないことにしたのだった。




秘書ズもチマキ町長を援護する。


「そうですよウー君。最後まで希望を捨ててはいけません」

「剣聖イザンアさまは「ほーっほっほっ」と笑って苦難を乗り切るのだと言ってます。確実に」

「ウーさん。今まで頑張れたんですから大丈夫です」


「うわ~~ん 辞めさせてもらえない。業務も増えるし部下たちは馬車から下りないし 僕は・・僕は・・うわ~~ん」


帰還の報告をするのはやめておこう、巻き込まれそうだ。



「兄弟 出直そうぜ」


「「「そうっす。いま行ったら巻き込まれるっす」」」


ノモコたちも同じ考えだ。


「そうだな。出直すか」


バキュームチマキ商会の問題なので今は退散することにした。 


まあ卸し食材の在庫が切れてなかったのでよかった。


ノモコズはキャプテンノモコ号を置いてくるとのことで自分の家に戻って行った。



お店に帰ってくると


「おにいさん おかえりー」

「おかえりなさい」


「ただいま」



ミマファズが出迎えてくれた。

これだよ これ おかえりと言ってもらえる嬉しさ。


帰ってきたんだなと心から思った。



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