第371話 ワイコの諜報活動
「今日はお前が報告だな。俺は町に残る」
「よし!ちょっくらいってくるわ。何かあったら鳥を飛ばせよ」
賊の一味と思われる2人の男のうち1人だけ町の外に出た。
ありきたりの町民の格好をしている。
門兵とも顔見知りのようで軽く会話をして外に出て行った。
「ぎゃーぎゃー」
町を出た賊の一味と思われる男のあとをワイコはついていく。
「なんだニワトリ なついたのか」
「ギャー」
ワイコは頭をこすりつける。
「おめー行くところがねーのか」
「ぎゃーぎゃー」
ワイコは頭をこすりつける。
「そうかそうか ならついてこい」
賊の一味と思われる男は 森の奥へと入っていく。
男の後ろをついていくと武装した人間が多数いるところについた。
「よう 何もないか」
「おいーす 問題なしだ」
そこは賊のアジトだった。
賊の一味と思われる男は、斥候だった。
男はワイコをアジトの中に連れていった。
・・・・
賊のアジト
そこは土魔法で作った大きな建物が3つあった。
それぞれ建物の中には大勢の賊がいる。
「おかしら 戻りましたぜ」
「戻ったか なんだ そのでけーニワトリは?」
「なつかれましてね ついてきたんすよ」
「あとで絞めて食ってやるか」
ワイコはちょっとヒヤっとした。
「可愛げあるニワトリですぜ 飼いましょうよ」
「おめーの好きにしろ で 首尾はどうだ」
「へい ラトスケーオの伯爵は王国から救援を呼んだようですぜ」
「ほう それで」
「その救援ってのが極悪人相の悪魔みたいなやつとチョビヒゲチビの悪徳商人みたいなやつです」
「そりゃほんとに救援なのか?」
「他にも仲間がいましたが門兵と揉めてましたぜ それと領地部隊が屋敷に集結してます」
「なるほどな ラトスケーオ兵団のやつらか なら東の村でも襲うか」
「いいっすね 酒場の噂だと東の町は急成長してるみたいっすよ」
「東の村を襲ってそれから東の最果ての町を狙うか」
「そうしましょう」
「帝国で勇者と何度も戦ったこともある俺だ どんな奴がきても負けねーさ はっはっは」
「さすがボスだ」
「そうと決まれば 軍がここに向かったら知らせろ アジトを引き払って東に向かう」
「へい! あっしも町に戻りやす。あとはいつも通り、鳥を使って伝令を飛ばしやす」
ワイコはアジトの中に入り、賊の斥候とボスの会話をばっちり聞いていた。
そして ほかの2つの建物にも移動して いろいろな情報を聞いた。
しかし・・・
「うまそうなニワトリだな」
「捕まえて食っちまうか」
「エサやってもっと太らせてから食おうぜ」
「でけーニワトリの肉はうまいだろうな」
などなど
ワイコも命の危機を感じ、冷や汗をかきながらの情報収集だった。
情報を持ち帰ったら、ご褒美に肉をたくさんもらおうと思ったワイコだった。
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