第76話 忘れずお供え 電波は
第76話
女神さまに週1回のお供えをする
「女神さま お供え 送ります」
「待っておったぞ」
女神さまの声が聞こえた。
「お召し上がりください」
「うむ。遠慮なくいただこう。 それにしても災難であったの」
「見てたんですか?」
「うむ 応援しておった」
「そうですか。 なんとかなりました。 殺されかけましたけど」
「レベルを上げておいてよかったの」
「まったくです。身体強化スキルって詳細わかりますか?」
「詳しくはわからんの。練度によるからの。ただ練度が上がりやすい人類もおるからの。おぬしはレベルをそうとう上げておるからやられることはないじゃろうけどな」
「趣味がレベルあげでよかった。もっと上げとこう」
「そうじゃ。ちょうど報告があっての。 電波の件なのじゃが地球の神と話がついての」
「おお! どうなりました?」
「電波をこちらの神界に通してもいいことに あいなった」
「ありがとうございます。 さすが女神さまです」
「うむ もっとほめるがよい なんなら お供えを もっと増やしてもいいのじゃぞ」
「前向きに検討しておきます」
「そうか。そうか。わらわもがんばったぞい。 袖の下を握らせたり弱みをみつけて説得したりの」
それって買収や脅迫っていうんじゃないのかな。
悪代官や越後屋の手口でしょ。
「お、お疲れさまでした」
「うむ。 くるしゅーない。 わらわも願ったことじゃからの」
「で、すぐにでも使えるんですか?」
「それがの、神界に電波塔を作ってそこから下界に開通させることになっての」
「神界に電波塔を作るのですね」
「そうなのじゃ。こちらの世界(異世界)でのみ使える電波じゃがな。」
「神界ならすぐに作れそうですね」
「それがの。 わらわだけじゃから。 時間がかかるのじゃ」
「え?もしかして一人で電波塔を建設してるんですか?」
「そうじゃぞ。 今もねじり鉢巻きをして作っとるぞ」
何してんだこの女神さまは。
「神界で職人やってるんですか?」
「そうじゃぞ。 一人親方をやっとるぞい。 鉄筋をくみ上げたり溶接したりしとるぞ。 地球でゆうところのDIYゆうやつじゃの」
DIYで電波塔建ててだいじょうぶなの?
「DIYで電波塔建てられるんですか?」
「だいじょうぶじゃろ。モーマンタイ(問題なし)じゃ。はっはっは」
「え~と どれくらいかかります?」
「そうじゃの・・・
う~ん・・・
まぁ~・・・
え~と・・・
しばらくかかりそうじゃの」
これは当分無理っぽいね。
「わかりました。ゆっくりでいいのでケガしないようにお願いします」
「了解!てやんでい!なのじゃ。 まかせておけい!なのじゃ。 毎週のお供え忘れないようにの!」
お供えは絶対なのね。
俺のせいで女神は職人になったのか?
違うよね。
電波塔をDIYっていってたけど大丈夫なのだろうか。
とりあえず いつかこっちの世界にスマホの電波が開通するだろうから
これからは異世界でもスマホを持ち歩くようにしよう。
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