第26話 自転車爆走の余波
第26話
夕方になり自転車教習も終わりにして村に帰ってのんびりすることにした。
村に入りミマファの家に向かっていると村人の話声がきこえた。
話しているのはベコ飼いの村人だ。
「いやー今日は村の外にいったんだけっども帰り道に街道を歩いてたら
砂煙さあげて うなって走っていった何かがあっただよ。
あれは魔物だべか。明日、町さ行って新種の魔物かもしれねって
報告したほうがいいべか」
なにやら不穏な話をしてる。
「報告したほうがよさげだな」「んだんだ」「襲われたりしたら怖えからの」
よく聞くとそれってブンセさんの自転車じゃねーのか?
そういえば町まで行ってくる時間を計ったっけ。
あのことだな。
ブンセさんを見ると申し訳なさそうにしている。
村人に話しかける
「どうもこんばんわ」
「賢者さまでねーか。こんばんわ。」
「あれは、あの・・心配ないですから・・。」
村人の話に割り込んで大丈夫アピールをする。
「そうだべか。あれは人間でねーど。あんな早いのみたことねーどや」
「あれはほんと大丈夫ですから。安心してください。ははは・・・」
「賢者さまがいうならだいじょぶだべな。わかっただ」
あぶねー。
大事になるところだった。
「そういえば賢者さまにお願いがあるだよ。村長に農具をくれたでねーか。おらにもベコのエサやりに便利な農具があったら欲しいだよ。おらも歳だし腰にくるだよ」
なるほど。牛のエサは草だ。
手で持ち上げるのも大変な重労働だ。
リサイクルショップに農業用ホークも売ってたな。
あれを買ってこよう。
「わかりました。用意しますね」
「ほんとだか!よろしくお願いしますだ!そうだ、おらクサゴタっていいますだ。農具のお礼は考えてますだ。うちのベコはステファノスっていいますだ。ステファの糞を差し上げますだ。いい肥やしになるだよ」
「お、お気持ちだけいただいておきます。貴重な肥料をもらうわけにはいきませんから」
「そうだか。そんなら別のお礼さ考えておきますだ」
お礼の件は丁重にお断りした。
お礼に嫌な予感がしたわけではな・・・ある。
とりあえず爆走自転車の件は丸く収まってよかった。
自転車のことはいずれ話すことにしよう。
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