第39話 安らぎ
【はるとくん、運転するから助手席に乗って】
【はるとくんじゃなくて。はると。ユキさん】
あっ、俺も戻ってる。呼び方。
二人して、笑い合って、
【お互いに無理しないで行こうね。はるとって呼ぶ日が来たら自然とそうなるから】
【俺もユキって普通に呼べる日が来たら】
※ブーブー※
【俺のスマホか?るいさん、何か追加あったかな?】
【聞いてくれる?私に連絡来てたかも知れないけど、サイレントモードにしてたから】
【解った。もしもし】
※【ユキ運転でしょ?追加あるからメモして】※
【はい、🦐に🦪と。特製ブイヤベースですね】
※【ユキとはるとのお祝いだから。一番いいの買ってきて】※
【るいさん、本当にありがとう。るいさんが居てくれたから…感謝です🥲】
るいさん、優しいな。何だかんだ背中押してくれて。だから付き合えたんだね。
※【あっ、そうだ。ステーキ、リブロース4枚も】※
【何でですか…るいさんニ枚食べれるんですか?】
※【誰がニ枚だよ、ボケ!!呼んだの、彼氏】※
【えー、彼氏!!?俺、会ったことありました?】
※【二人のラブラブ見せつけられて羨ましくなったの。お金はお店持ちだからいいでしょ?とにかくリブロースね】※
【はい。解りました】
【はるとくん、るいなんだって?】
【彼氏来るみたいですよ】
【………彼氏…】
【ユキさん?大丈夫?運転変わりますか?】
【ううん、大丈夫。そっか、るいのね、楽しみだね。じゃお肉買わないとね】
【るいさん、ブイヤベースにステーキ、奮発しましたね】
【喫茶店だけど夜もお客様けっこう入ってるから。いいんじゃない?るい、ケチなのにこんなに買ってきてってことは、今月利益出てるね】
【ところで、この時間から開いてるお店ありますか?お肉とか買えますかね?】
【今、交通機関使えないでしょ?それでね物流は車しかないから大渋滞ばかりで。品物も到着遅れていて遅い時間まで販売していないとお客さん買いそびれるんだって】
【へー、思いやりの商売。立派ですね】
【そうしないと私達も買えないじゃない。有り難いよね。それにサービスもけっこうしてくれてるんだ。いいお店見つけたよ】
【それは、お礼言わないとですね】
【だから、ほら、時にはこっちからもおすそ分け】
【日本酒!!これけっこういいやつですよ】
【いいの。持ちつ持たれつで】
あたたかい思いやりの気持ちが双方に。いいな。こういうの。困った時に支え合う。悪いことばかりじゃないじゃん。
昔は普通だったことが、便利になり過去に置いてきてしまった…
スマホで何でも出来て、それこそ簡単に何でも届いて、人との触れ合いが無くても成り立つ世の中。そんなんで良かったって言えるのかな?昔のほうが良かったことたくさんあるかもね。
【それで、わざわざ買い物に行くんですね。感動です。明日から接客の参考にします】
ユキさんは、?🤔って顔して、
【参考にするの?お買い得品とかを見つけることを?アクティビティにあるの?参考にするのはいいけど…】
お買い得品目的…そうか…意外としたたかだね。感動した俺はどこ行けばいいのですか?ユキさん。
【この物流って、俺達の生命線ですね。俺達だけじゃない、この世界の。位置情報使えなくても動ける数少ないシステムですね】
【少しずつだけど位置情報に頼らない方法で、航空機も対応し始めるって、さっきニュースで】
【船舶もいろいろ検討してるみたいですね。マリンジェットはすぐそばの無人島だから問題ないけど】
………………………直売店………………………
【いらっしゃい!!おっ、いつものお姉さん、弟さんかな?いいねー、仲の良い姉弟。よし、サービス。鮮度抜群の鯖サービス!!で、何探してるのかな?】
弟になってる。そんなもんか…世間から見ると。
【おじさん、🦐と🦪を。あと、弟でなくて、彼氏ね。私の】
ユキさん、彼氏って言ってくれた!😍
【あっ、失礼しました。ごめんよ〜じゃ、お詫びのサービス。採れたての🦑つけちゃう】
買うのと同じ量のサービスだな。
【おじさん、ありがとう!!嬉しい〜】
【彼氏さん、素敵な彼女捕まえたね〜やるね〜】
【ありがとうございます。サービスこんなにたくさん…】
【いいの、いいの、ユキちゃんはおじさん達のアイドルだから】
アイドル?
【おじさん、変なことに言わないでよ。若くないし、もう】
【若いって。あなた達有名人だよ。ここらでは。ほら、もう一人の、元気な…えーと】
【るいですか?】
【そうそう、るいちゃん!!あの娘も可愛いよね。るいちゃんにもこれあげて🐙】
何だ?商売成り立っての?凄まじいサービスの数々。
【おじさん、貰ってばかりでは…はい。これ】
【おおっ!!こんないいお酒🍶貰っちゃっていいの?】
【いつものお礼。じゃ、いつもの渡し方でね。いきますよ。準備はいいですか〜?では、せーの、
お待たせ〜日本酒でーす】
【いやー、最高!!彼氏さん、ユキちゃん大事にね】
【はい…もちろん】
ユキ…それ、あまりやるなよ。
【はるとくん、後はリブロースだったね】
【ユキさん、さっきのやらないでよ…】
【えっ、あーごめん。ついいつもの癖で】
【可愛過ぎるんだよ…ユキ………】
情けない…凄いヤキモチやき…あーあ、もう。
【はるとくん、ごめんね。もう、やらないね】
【俺こそ、ごめん。情けない…俺】
【嬉しいよ。彼氏だからね、は、る、と❤】
ヤバっ、俺、すっごくニヤけてる…
時よ、止まれ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます