第29話 大渋滞&緊急速報&カレー🍛

 俺はそんなに食べれなかった。混んでるし、何より急がないと過去にない大渋滞らしいから。


 高速は乗らずに下道で、抜け道探しながら、それでもとてつもない大渋滞。


 速報で交通機関がほぼ停止。といつよりも全て停止。よくほとんどのって、言うけどさ、全部って言い直してほしい。


 ヒッチハイクの人もいるけど、この車ではとても乗せられない。レイジは大丈夫だったかな。


 みさは話し相手になってくれてる。俺が眠くならないように。りなは…予想通り寝てる。


【はると、どっか食事していかない?これ夜遅くになるパターンだよ】


【空いていればいいね。何処でもいい?】


【はるとが停めやすいとこで】


【とにかく出来るだけ家に近づこう】


【そうだね、この混雑だからね】


………ムニャ…ムニャ………


【トイレ〜〜〜】


りな、起きたのか。


【はると、トイレ〜】


【解ったよ。何処か食事に寄るから】


【私ハンバーグ食べたい〜】


りな、起きて早々に、トイレだのハンバーグだの…


 こんなワガママ…仕方ないけど受け止めるか、職場も夢も諦めたらんだ。みさも同じだけど。


ラジオで速報…


※引き続き欠航の情報ですが、現在国内全離発着が停止となっております※


みさは、


【はると、この状態ずっと続くのかな?】


【何で俺に?】


【レイジとか、さきさんとか、何か聞いてない?】


 ポールシフトとか太陽フレアとか、このような問題はずっと予想されてきたんだろうな。


 そもそも地球ってこの時代は奇跡に近いって何かで読んだことある。プレートテクトニクスとか?


 付け焼き刃じゃ意味ないな。無責任なこと言えないけど、これは始まりに過ぎないと感じていた。


【はると〜トイレだって!!どっか停めて】


【とにかく、混雑抜けたら…あった!コンビニ!】


りなは、


【よくやった!はると】


あぶねー、飛び出して行ったぞ。気をつけろよ。


【私もトイレ…コンビニでなんか買ってくるね】


【ありがとう。みさ。頼む。駐車場停められない感じだから。この大渋滞だから流れに乗ってくよ】


【急に進まないよね?】


【たぶん…早く行ってきな】


 これで急にってことはないだろう。歩いている人のほうが早いじゃん。家につくのはいつになるやら。みさ一人暮らしだから俺と実家に。りなも近所だしな。


 やば、俺もトイレ行きたくなってきた。駐車場…空かないよな~ん?空いたじゃん。よし。


【ふー、すっきりした。はると?停められたの?】


【りな、交代。乗ってて。俺もトイレ】


【解った。帰りに何か買ってきて】


【みさが買ってくるってさ】


りな、最初にトイレ行ったんだから買ってこいよ!



………………………店内………………………



【売れ切ればっか…とりあえずあるものだけ…】


 みさも買えなかったよな?大混雑だし、カップ麺、🍞、おにぎり🍙…ほとんどないじゃん。


【みさ、戻っていたか。何か買えた?】


【お菓子くらいだけど…この大渋滞で届かないんでしょ?仕方ないね】


【とりあえずお腹に入ればいいね】



………………………夜………………………



【つ、ついた…疲れた…】


【はると、お疲れ様。ほんとにお邪魔していいの?いきなり迷惑じゃない?】


【大丈夫!!みさのこと言ってあるから。泊まることもね。もちろん部屋は別だから】


【私は〜?】


【りな、近所じゃん。後から来なよ】


【解った】


 とりあえず何かお茶漬けでも何でも、頼む〜

おふくろ何でもいいから作って〜。腹ペコ。


【はると、遅かったね。みさちゃん、どうぞどうぞ。何も無いけど、すぐ用意するからね】


【お邪魔します。急にすみません。お気遣いなく】


 いや、お気遣いして!俺は腹減りすぎ…フラフラ…

運転もしんどくて、腰痛い。


【カレー🍛くらいしか無いけど、いい?】


ナイス!!おふくろ。嬉しいー!!!


【みさちゃん、カレー🍛くらいしかなくてごめんなさいね。本当は他にも何かあれば…】


【お母さん、今世界中の料理の頂点をいただております。美味しすぎて…美味しすぎて…🥲】


【あ、あら?最近そういうの流行ってるの?えーと、どう変えしたらいいのかしら?】


【おふくろ、これ、マジに美味いよ!!】


【こんにちはー、じゃなかった。こんばんわ~】


りなが来た。


【おばさん、お邪魔…カレー🍛食べたい!!】


【たくさんあるから。はい、りなちゃんも🍛】


モグモグ…モグモグ…モグモグ


【お、美味しすぎて…🥲これは…奇跡のカレー】


りなもお腹に空いてたんだね。両親はどうした?


【りな、おばさん達は?】


【大晦日のイベントの打ち合わせでいなかった】


 もう、そんな季節か。早いな。ずいぶん寒くなってきたもんな。


【おばさん、カレー🍛おかわりをある?】


【りな、食べるの早すぎ!!気持ちは解るけどな】


【お母さん、私も…あれば…少しおかわりを】


【もちろんいいけど、あなた達どうしたの?たかがカレー🍛だけど。いいの?】


【カレー🍛がいいの!】

【カレー🍛最高!】

【世界一のカレー🍛です】


【何か嬉しいけど、ちょっと待ってて。ご飯早炊きするから。とりあえずあるものだけで】


【うわーん、美味しいよ〜😭】


【りな、泣くことないだろ…恥ずかしいな】


【はると、りなちゃんの気持ち解るよ。私、お母さんにカレー🍛教わる!!】


【???あのね、他の料理なら教え甲斐あるけと、カレー🍛を教えるって…あなた達やっぱり少し変じゃない?】


おふくろ、早くご飯炊いて。


【みさ、ほっぺにご飯粒…はい、取れたよ】


【はると、ありがとう。がっついて食べて恥ずかしい…軽蔑しちゃった?】


【そんなことない。可愛いって思ったよ】


【可愛いって…そんな、でも嬉しい!!】


………………………………………………………


みさ、モグモグ食べてるね。可愛いね。


【あのさ〜、私もいるんですけど!元カノの私も!】


りな、ごめんね。忘れてた。


【私もいるんですけどね~奇跡のカレー🍛の】


ごめん。忘れてた、おふくろ。














 

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