君がいてくれたから(第三章)

第24話 汗かいてるのに…

　何かこんな時間なのに、忙しそうだ。レイジを急に呼んだってことは…人手が足りないってことだ。なんせ、レイジも必要なくらいだからさ。

【はるとさん、何かブツクサ…なんすか?俺入力ミスあるっすか?】

【いや、何も言ってないよ。ミスは多少あるね。大丈夫、直してるから】

　俺は、さきさんに何か聞こうと…何だっけ?ちょうど目の前に咲いるんだけどな。

【何?何か私に聞きたいことあるの?別件だけどさ、はると、体調は?タイムトラベルの後遺症は?】

あっ、それね。思い出した!これ聞こうと、

【さきさん、手を休めないから、教えてください。実はこのところ、言葉とは違う、頭に直接入ってくる声を感じて、りなに確認したら思ってることと同じで。タイムトラベルと関係あるんですかね?読心術みたいな?】

さきさん、考え込んで、暫くして、

【はると、私のかんがえてること解った?】

【そんな、休に言われても解らないですよ】

【そっか、じゃ限定的なのかな?ごめん、そういうの解らないや。それは悪いことじゃないでしょ?】

【そうなんですけどね。りなの思っていたことが気になって】

【はると、みさでしょ?付き合ってるの?りなとも付き合ってるの?】

【正確には別れて、それで】

【何、何、元サヤ!!?】

【さきさん違いますって。みさは友達として前より親密になって、りなは海外に仕事で行くから、そのことで】

【ほー、なるほどね～、それで、みさとりなも、はるとって見た目は可愛い弟キャラなのにね～やるね～、今カノに元カノ両方ゲット!!キャー!!】

駄目だ、さきさんに話した俺が馬鹿だった。

【はると、手が止まってるッス!】

【ごめん。ピッチあげるよ】

　ある程度は、終わったみたいだ。レイジも戦力になってるね。意外と入力早いな。

【さきさん、これ終わりました】

【レイジ、もう全部終わったの?早いね。はるともチェックありがとう。じゃ、早速…どうかな?】

……………………データ読込中……………………

さきさん、真剣にモニター見つめてる。

【はると、俺はさきさんのこの真剣な表情がタイプッス。普段とは変わって、凄く素敵な女性に見えるッス】

【お前、りなは?】

【りなさん?可愛いッスよね。何かあったッスか?】

何だ、りなと付き合ってる訳ではないのか?

さきさん、ため息ついて、

【これは…やばいな…】

何かあったな。

【はると、りなの声聞こえたって言ったね。内容覚えてる?心配なんでしょ?】

確か、

🫧はると、これでもう会えない気がする🫧

だったな。

それをさきさんに伝えると、

【あながち間違って無いかも。航空機乗るの止めたほうがいいかも】

【さきさん、何が起こってるの?】

【地球の磁極が反転して、電波が影響受けるの。もちろん位置情報に影響でるからね。となるとね、ほぼ交通機関は停止しなくてはならないから】

【それ、いつからですか?】

【もう、起こりつつある】

マズいな、それは。

【とりあえずすぐに戻って、りな達に伝えてくる。来週にも行く予定だったから】

【間に合うね。このことは明確にならないと発表出来ないし、適当なこと言ってしまうと大問題になるし、所長呼び出して、交通機関に極秘に伝えてもらうから】

【それじゃ、さきさん。戻ります。レイジ👻役ありがとう】

【はると、送ってくれてありがとうッス】

【はると、気を付けて。今後位置情報はあまり信用しないでね。ところで、レイジ何で怪我してるの?】

【えー、今気がついたッスか?】

………………帰り道………………

　とりあえずナビは正常のようだけど。全部にすぐに影響出るわけではないのかもな。

　みさ、メール見てないのかな?返信ないけどな。ワイン🍷飲み過ぎで寝てるとか?あり得るな。

　りなも返信ない。こういう時にマナーモードだと電話しても気が付かないから困るんだよ。

………………ホテル………………

【みさ、メール見てないでしょ?】

【んー、はるとちゃーん!どこ行ってたの〜】

【みさ、どうした。はるとちゃんって?】

【はるとちゃんは、はるとちゃんでしょ?】

【みさ、酔ってないか?大丈夫か?】

ほぼ完璧に酔ってるな。俺に抱きついて、酒臭!!

【んー、はるとちゃんの汗の匂いだ〜❤】

おい、おい、おい、それどころじゃない…

【はるとくん、りなちゃんトイレ🚻にこもりっきり、今、るいが様子見に行ってる】

　何だよ、みんな。ワイン🍷飲み過ぎだよ。どれどけ飲んでるんだよ!もう。

【ユキさんは、大丈夫なんですか?酔ってない?】

【うん。だって、みんな飲むから遠慮しないとね】

【すみません。りな、みさが迷惑かけて】

※グー、すやすや…😪※

みさ、抱きついて寝ちゃってるよ。

【みさちゃん、はるとに別れ話したんだってね】

【みさ、おしゃべりなんだから。そうです。みさから友達に戻ろうって。不思議とそれからのほうが親しくなったんですけどね】

【そっか…みさちゃん、後悔していたよ。はるとのこと本当に好きだったって解ったって。それでこんなに飲んじゃって。今も可愛く寝てるじゃない?】

確かに…しがみついて子供のように。

【はるとくん、汗かいてるの?何かあったの?】

【確証してないんで、何とも言えないけど、さきさんから大事なこと聞いて。とりあえず航空機に乗るの止めようと】

【あー、もしかして、位置情報の関連かな?】

【ユキさんの居たときから予想されていたんですか?】

【位置情報は太陽フレアも影響あるかもってね。あの研究所はいろいろ調べてるんだよ。ところで、汗かいてるの?】

【何度もそれ、俺、臭いですか?すみません。みさ、しがみついてるから、みさも臭くなっちゃうな。起こそうかな?】

ユキさんが、俺の肩を摑んで、

【起こさないで!あのね…はるとくん…匂いかがせて】

【えっ、嫌ですよ、汗かいてるのに】

【いいから、クンクン、クンクン!!】

ギャー、止めて〜、汗かいてるのに。

【やっぱ、安心するね。はるとくんの汗って。それでなんだな〜何となく、はるとくんのことね】

【えっ、何ですか?】

【はるとくんといると楽しいってこと!!ほら、みさちゃん首いためちゃうから向き変えてあげて。かわいいねー。甘えん坊の子どものように】

【あっ、そうか。みさ、少し向き変えるよ】