第19話 想定外

 三人で話し合った。これからのことで不安も希望もあるが、りな達は海外での仕事に生きがいを感じてるようだ。りなは既に海外勤務経験してるから。みさも心強いだろうな。


 俺は、やっと見つけた仕事。給料や休みのことなんてどうでもいい。やりたかったんだ。ここでの仕事。無人島ツアーガイド&インストラクターって感じだね。


 お互いに見つめる先は、理想の仕事。こんなチャンス絶対に手放してはならない。迷いはない!!


りなが音頭をとって、ここ喫茶店だが…


【じゃ、三人の希望ある未来に向けて、かんぱ~い!!お酒じゃないけどね】


 来週そうそうには出発か。とりあえず住む場所決めてくるってことらしいけど。寂しいよな…


【りな、みさ、たまには帰ってきなよ】


みさは、


【はるとが寂しいってなる前に帰って来るよ。私はホームシックにはならないタイプだと思うけど。はると平気なの〜大丈夫?私がいなくても】


【大丈夫、大丈夫!!みさは思いっきり好きなことにして、後悔ないように】


【大丈夫って、解るけどさ、なんかムカつく!】


【なんでムカつくの?】


【寂しいって、普通思わない?私、はるとの彼女だよ。そう思うのが普通だけど】


【寂しいよ、みさ!行かないで〜っで、どう?】


【モロ演技!やっぱムカつく!】


はい、はい、何いってもムカつくよね。


………混んでるから、なかなか来ないな………


【お待たせ〜パエリアでーす!】


ユキさん、待ってました!!うまそー!


【はると、何かニヤけてるね】


【な、何が、パエリアで?ニヤける?…だってうまそー何だもん。そりゃニヤけるでしょ?普通】


【ユキさんに…でしょ。解るけどさ〜何かね〜】


 これ、バレてるけど。仕方ないだろ!ユキさんのお決まりのセリフ目当てに来てる人もいると思うよ。だからこんなに混んでるんだよ。


 お姉さんタイプなのに、可愛くて…仕方ない。大抵はこのポーズや雰囲気に落ちる。少なくとも俺は落ちた。


ただそれだけ…ユキさんは俺を弟と。


 それにしても海、海、海。ほんとに幸せだよ、ここで働けるって。


【るいさんも忙しくて、話せそうにないから、遊園地にいかない?近いでしょ?】


りなの提案に、乗っかった。


とりあえず、ユキさんに挨拶して、


【ユキさん、俺達そろそろ行くよ。今日さきさんのホテルで合流だね。レイジも来るでしょ?】


ユキさん、手を休めずに、こっちを向いて、


【ごめん、みんな。こんなに混むとは。夜行くからね。ちょっと遅くなりそうだからディナー後のプールバーで合流ってなりそう。いいかな?】


【もちろん、慌てなくていいですよ】


………………………遊園地………………………


 遊園地って、久しぶりだ。アトラクションはどんなのがあるんだろな。りなが言いづらそうに、


【あのね、実はここにレイジさんを誘ってるんだ】


みさ、びっくりして、


【りなが誘ったの?仕事中でしょ?レイジ】


【うん。でも来てくれるって。私が誘ったから❤】


マジか?そんな仲良かったのか。


【じゃ、ダブルデートだね】


【これで👻屋敷も別々に入れるね】


りなは、怯えて、俺にしがみついて、


【入らないよ、ヤダよ、無理だよ、絶対に無理!!】


そんなに怖いのか…何かあったのかな?


りなは、


【えー、じゃ、私とレイジさんで入るよ。みさ達はジェットコースターにでも乗る?】


ジェットコースターか…得意ではないけどね。


 暫くして、レイジが合流。フリーダムな職場だ。羨ましい、ほんと。それとも、りなのこと本気なのかな?もうすぐ海外行っちゃうよ。


 ほんと👻屋敷行ったぞ。知らないぞ〜ここ怖くて有名だからな。


りなは、


【👻屋敷絶対ヤダよ!観覧車乗ろう!】


 みさ、観覧車なんだね。ジェットコースターじゃないの?


………………………観覧車………………………


【はると、高いとこ平気?】


【得意ではないけど】


【ごめんね、👻屋敷はどうしても嫌だから】


【解ってるよ、もちろん無理強いはしないよ】


【りな、👻屋敷に真っ先に入るんだよ、どこの遊園地でも。はるとは昔、りなと行かなかった?】


遊園地、そう言えば行ってないな。


【りな、よくはるとのこと話してきたよ。付き合ってた時なんか、もうウザいくらい聞かされた】


【あー、そんななんだ、りなって。知らなかった】


【幼なじみって、付き合うとそうなるのかな?あまり普段の出来事とか話さないっていうか。でも幼なじみで恋人みたいに付き合えたら、鉄板だね】


【何で、鉄板なの?】


【お互いにいいトコも嫌なトコも解ってる。だからね、幼なじみで結婚したら絶対に鉄板】


【なるほどね~、りなと付き合ってる時に結婚とか考えたこと無かったけど】


ここ、最上部だ!!けっこう高いな。


みさ、急に隣に座ってきて、な、何だよ。


揺れて怖かったぞ。………チュ😚………みさ?


【はると、離れ離れでも毎日連絡するね】


【ありがとう、みさ】チュ😚


寂しいよな、不安だよな。


【やっぱ、海外やめようかな?行くの…】


どうした?希望持っていたんじゃないの?


【寂しい…その気持ちのほうが大きくなってる】


【うん…何て言うべきか、解らないけど、みさの気持ちを優先したら後悔しないよ、きっと。俺はこれからの仕事のこと考えて給料安くなっても、将来のこと不安になっても、今諦めたらきっと後悔する。自分自身で決めたから。みさも自分自身に正直に向き合って。りなに気を使ったり、俺のこと考えたりしないでさ】


【はると、そう言うと思った。吹っ切れた!よし、良く聞いてね、はると】




















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