後書き

 ①今回の題名「坊不可忘」ですが、これには二つの意味があります。

   坊

 忘  不

   可

 この様に書いて、「坊不可忘」…「坊忘るべからず」坊やが忘れることはないだろう

         「不可忘坊」…「坊を忘るべからず」坊やを忘れるべきでない・忘れられない


 ②キーワードに「奇妙な味」と入れましたが、これはホラーのジャンルではなく、正しくはミステリーの内の1ジャンルです。インターネットの中には(というより日本文学全体において)この「奇妙な味」がみられることが少ないと思い、稚拙ながら今回の作品であえて取り扱わせていただきました。

 では、なぜホラーという中で扱ったのかといいますと、この「奇妙な味」の特性として、「読後に不気味な割り切れなさを残す」というものがあるからです。スプラッターやサイコホラーの様なしっかりとした恐怖とは違う、終わった後の何とも言えない違和感やモヤモヤ。実際にどこかで起こっているかもしれない。身近で現実的な不気味さ。私は、これも立派なホラーであると考えています。エドガー・アラン・ポーの「黒猫」などはその最たるものではないでしょうか。


 さて、長々と後書きを述べさせていただきましたが、今回のお話はいかがだったでしょうか。太宰治の「猿ヶ島」では読者に様々な勘違いを起こさせ、読者が文章のイメージに修正を加えているうちに話が終わってしまうという手法が施されています。実はこの「坊不可忘」でも同様の手法を用い、「子供だと思ったら大人の女性であった」「実は一人でかくれんぼをしていた」「女性は狂人ではなかった」などの勘違いを狙っていましたが、どうでしょうか。成功していましたでしょうか。その点などを含め、感想や評価を下されば幸いです。もちろん、その他の感想でも構いません。

 最後になりましたが、ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。                      


                                彩煙

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不可忘坊(わすれんぼう) 彩煙 @kamadoma

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