第13話勇者パーティー新加入(魔法使い&治癒術師)

 翌日二人を伴って、優子ちゃんの下に来ていた。

 勇者パーティー加入のお願いをするためだ。


「天木さん、ちょっといいかな?」


「何? 真央く……じゃなかった剣持君」


「この二人を勇者パーティーに入れてくれないかな? どうしてもって聞かなくて」


「剣持、ふざけんな! あたしはどうしてもって言ってない!」


「ちょっと、天音……折角剣持君が天木さんに話を通してくれてるのに」


「うっさいわね、花凛。あたしは本当にどうしてもなんて言ってない! まあ、頼まれれば入ってあげないこともないけど……」


「もう、素直じゃないんだから……」


 この場に二人、というよりも琴宮さんを連れてきたことに後悔した。

 どうしてこんなに素直じゃないんだ。


「琴宮さん、古城さんね?」


 優子ちゃんは二人のことを知ってるみたいだな。


「うん。私たち実力不足を痛感してて、そこで剣持くんから勇者パーティーに入ったらどうかって誘いを受けて。ダメかな? 私たち、足引っ張っちゃうかもだし」


「私は歓迎だよ。戦力が増えるのはありがたい。一緒に頑張ろう、琴宮さん、古城さん。智美もいいよね?」


 優子ちゃんが受け入れてくれて嬉しい。

 優子ちゃん、人格者だな。


「ありがとう、天木さん」


「ふん、あたしは嬉しくないんだからね」


「もう、天音ったら……」


 俺だったら絶対断る。


 倉木さんもその場にいた。

 式町先輩は上級生なのでこの場にはいない。


「うん。私も歓迎だよ。賑やかになって嬉しいね」


 倉木さんも受け入れてくれて嬉しい。

 倉木さんも人格者だな。


「良かった。二人のジョブを聞いていい?」


「あたしは魔法使い。あたしの魔法を見てビビらないでよね」


「私は治癒術師だよ。私たちのこと受け入れてくれてありがとう、天木さん、倉木さん。よろしくね」


「二人とも魔法ジョブなんだね。魔法のこと話せて嬉しい」


 倉木さんは、自分と近しいジョブの二人が入ってくれて嬉しそうだ。


「魔法の事一番詳しいのは、真央く……じゃなかった剣持君が一番詳しいと思うよ。今度聞かせて欲しいな」


「天木さん、何のこと?」


 俺はいつも通りすっとぼける。


「あんた、ほんとに徹底してるわね。流石トップ配信者」


 誰に呆れられても構わない。

 学校に魔王キャラは持ち込まないって決めてるから。


 これで勇者パーティーは五人になった。

 前衛二人に、後衛三人だ。


 欲を言えば優子ちゃんを守ってくれる人が良かったから、前衛職が良かったが、戦力が増えるのは素直に嬉しい。


 今後も俺の願いは変わらず、優子ちゃんが無事でいることだ。

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