世界はエンターテイメント
ルピナ-Lupina-
序章
喜、怒、哀、楽。
世界には、沢山の生き物が住んでいて、沢山の感情が蠢いている。
『世界の面白さ、君は知らない?』
あの時、君はそういった。
都会特有の、夜の明るさを、君と僕は見下ろす。
喧騒も、そこまで届くことはなかった。
いつからか、堕ちていた僕にとって、この世界は、面白くなかった。
僕は横に首を振った。そして、君はいった。
『面白くないならさ、私と知ろうよ』
そして君は、いろんな顔をした。
全てが可愛かった、愛しかった。
『この世界はね、エンターテイメントなんだよ、君もその1人、私も1人』
楽しそうに、両腕を広げ、くるくると回りながら、君は言った。
『君は強く生きてね』
君は、涙を誤魔化していた。
気づかなかった僕は、大人になった今、君がいなくなった世界で、抜け殻で生きている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます