第10話 女神様と一緒に、お風呂に入ってみた!~俺のアソコがガチキャン△編~
――水着でお風呂に入ると、海やプールに行くよりも10倍のエロさ感じることが出来る。
これは稀代のエロリスト、三橋倫太郎、通称アマゾンが世に解き放った言葉である。
なんでも、どうしても距離をとりがちなプールや海と違って、お風呂場は常時距離が近く、なによりも第三者による干渉や監視がないから最高なのだとか。
仮にTシャツを羽織ろうものなら、お湯で濡れて、火照った肌に張りつくさまを至近距離で鋭意鑑賞することが出来るという利点においても、抜かりはないとの事らしい。
特に今回のように、我が家の風呂場はごくごく一般家庭にあるようなモノと同じ大きさであるため、必然的に俺たちは肌を密着させる事になるからして……もはやエロさは界王拳10倍を軽く
「我ながら、スゲェ提案をしたもんだ」
海パンを身に着けたまま、湯船にどっぷり♪ と浸かる俺の声が、風呂場へと木霊する。
が、それも一瞬のこと。
すぐさま脱衣所で俺が用意した水着に着替えていた芽衣が『しろぉ~?』と珍しく戸惑った声音で俺の名を呼んできた。
『その……ほ、ほんとに一緒に入るの? その……危なくない? BPO的に?』
「大丈夫だって! 週刊誌でB地区を描く漫画家も居るんだし、コレくらいなんてこと――ひぃっ!? ま、また雷が!? は、早く入ってきてくれ芽衣!?」
『うぅ~……ハァ。しょうがない、1度了承したのはアタシなんだし。それに女は度胸ってよく言うし……よしっ!』
狭い浴室だから雷鳴の音がよく響くらしく、なんとも俺の恐怖を刈り立てしょうがない。
俺は懇願するように「ハリーアップ!」と叫ぶと、脱衣所で戸惑っていた芽衣が覚悟完了させたのか、ゆっくりと浴室のドアを開けた。
そして現れる、白のスク水を身に
「む、むぅ~っ? この水着、透けないでしょうね?」
やたら心配げにそう呟きながら、その張りのあるプリケツに食い込んだ水着を人差し指でクイッ! と直す、我らが女神さま。
ピチンッ! と、音を立てて彼女の柔肌に食い込む白スクを、つい舐めるように見つめてしまう。
真っ白な肌に、真っ白な水着。
そして
なんというか、今の芽衣は、何とも言えない神秘性を孕んでいて、不覚にも思わず見惚れてしまった。
あっぶねぇ~!?
思わず「
「あ、あによ? そんなにジロジロ見て?」
芽衣は恥ずかしそうに頬を朱色に染めながら、モジモジと身をくねらせる。
その
「ふふふっ♪ 誰の胸がスラリとしている少年体型だってぇ?」
「い、言ってない!? そんなこと一言も言ってないよ、俺!?」
いつもの如く思考を先読みした芽衣に、ガッ! と頭を鷲掴みにされる。
う~ん、流石は芽衣ちゃんだ!
一瞬でエロい雰囲気が吹き飛んだよね!
もういつも通り過ぎてビックリするわ!
芽衣はキリキリッ! と締めあげていた俺のイケテル顔面からゆっくりと手を外すなり、風呂用の小形の椅子に腰を下ろしながら、ブツブツと不満をぶちまけてきた。
「まったく。次余計なコトを言ったらアタシ、家に帰るからね?」
「いや俺は何も言ってな――すんません! 肝に銘じておきます!」
ここで反論してマジで帰られたら洒落にならないので、大人しく頷いておく。
そんな俺の姿を見て満足したのか、かけ湯でさっと身体の汚れを洗い落とす芽衣。
女の子独特のあの不思議な甘い匂いが風呂場へ充満していくのを感じつつ、俺は何となく芽衣の姿をボケーと見つめていた。
「あっ、士狼。士狼が使ってるこのシャンプー、使ってもいい?」
「ん? 別にいいけど……それ男物だぞ? 母ちゃん達が使ってる、無駄に高い女物のヤツを使わなくていいのかよ?」
「いいの。今日はなんだか士狼の匂いに包まれていたいから。……って言ったら、ドキッとする?」
「めっちゃドキドキするぅ~♪」
「正直な男ねぇ~」
が、なんとかソレを声に出すことなく、いつも通りの調子を装いながら、俺も同じく笑ってみせた。
2人の声音が浴室に優しく響く。
それが酷く落ち着く。
「というか、なんで士狼は女性用のスクール水着なんか持ってるのよ? しかも白」
「えっ? 男子高校生として当然の
「男子高校生の嗜みとは一体……?」
ワシャワシャッ! と、自慢の亜麻色の髪を洗いながら、
えっ?
普通、男子高校生の懐にあるモノと言えば、財布とパンストと白のスクール水着だよね?
ねぇ、みんな?
たまに芽衣は常識外れな事を言うので、驚きを隠せない。
そんないつも通りの生産性も何もない会話を繰り広げていると、身体まで洗い終わった芽衣が「ふぅ~」と熱い吐息をこぼした。
まったりとした時間。
不思議と嫌な気分はなく、むしろ心地よいとすら感じる甘い疼きが、胸いっぱいに広がる。
きっと芽衣も同じ気持ちでいてくれているのだろう。
その顔はどことなく、ご機嫌に見えた。
……だからだろうか?
現在進行形で湯船の下で開催されている『大神士狼~人体の神秘展~』に気づいていないのは。
いやぁ、ビックリするぜ?
俺のマグナムが自分でも意識していないうちに、最大膨張で最大
もうほんと「いつの間に!?」って感じで。
アレだよね?
もう水着の中で「もぞり♪」って動くのを感じたもん!
N●K風に言うのであれば『その時、おティムティムが動いた』ってところか。
俺は今にも水着を突き破って『現世へ解き放たれるんじゃねぇの?』って元気一杯の息子を
「ちょっと士狼、もう少し詰めてくれない?」
「はっ? なにが?」と声をかけるよりも早く、顔を真っ赤にした芽衣が、俺の入っている湯船へと入ってきた。
そのあまりに自然な動きに、何も言うことが出来ず、ポケーとバカみたいに口を半開きにしてしまう俺。
そんな俺の隙を縫うように、芽衣は頬を赤く染めながら、ゆっくりと湯船に身を沈めさせた。
――俺の膝の上に。
これがどういう意味を持つのか、優秀な頭脳をお持ちの諸兄たちには、もうお分かりいただけていると思う。
「ちょっ、
声を出そうとするものの、焦りと驚きが強すぎて、声が出ない。
芽衣はそんな俺に気づくことなく、「ふぃぃ~……」とオッサン臭い声をあげながら、俺の胸板に背を預けようとするのだけれど……。
「良いお湯♪ 冷えた体に染み渡るわぁ~……って、うん? 何かお尻のあたりに固いモノがあるような……?」
――まぁそうなるよね。
芽衣はお尻の下にある異物感に眉根をしかめながら、身を
途端に俺のアレが芽衣のプリケツに押しつぶされるように、グニグニ❤ と左右に揺れ……俺の身体から脂汗が大量に噴き出た。
今度は雷とは違うベクトルの恐怖が、俺を襲う!
普段は英国紳士もかくやと言わんばかりの俺だが、直接俺に触れている芽衣の肌が全身どこも柔らかくて、スベスベで……股間に感じる芽衣の肉づきのいいお尻だけでなく、胸元に感じる芽衣の背中や
このままじゃ俺、取り返しのつかねぇとんでもねぇ重大な犯罪を犯すんじゃねぇの? っていう恐怖が……。
「んん~? 何かしら、コレ?」
芽衣はお尻の下にあるものが何か探ろうとするように、クニクニ❤ と身を捻る。
それによって、俺のアレがどうなっているかは、各自の想像力にお任せするとして、俺はそれよりも何よりも、芽衣の白魚のような手がアレに向かって伸びるのを防ぐのに必死だった。
さすがに掴まれるのはマズイッ! 超絶マズイ!
俺はすかさず芽衣の手首を握り締めようと手を伸ばし――
――ドォンッ! ドォォォォォォンッ! ゴロゴロゴロ……
「ひぃぃっ!? カミナリぃ~っ!?」
「キャッ!? きゅ、急に抱き着かないでよ、シロ……ウ……うっ? えっ? コレって……まさか!?」
ヤバいッ!?
勘・づ・か・れ・た☆
雷鳴に驚いた俺がとっさに芽衣の体に抱き着いたせいで、彼女の手がガッツリ俺のジャンボフランク(自称)を握り締めているのね、コレ。
もう「ズキュゥゥゥゥゥンッ!」と擬音が聞こえてきそうなくらいガッツリですよ、旦那!
しかも大蛇のように俺の自前のジョイスティックを指先でグニグニ❤ と
生まれて初めて出す甲高い声音に、「へぇ、俺ってこんな声が出せるだぁ♪」とか現実逃避している場合じゃない!
「し、しししっ、士狼!? こ、ここ、コレって!?」
「……誠に申し訳ないと思っている」
珍しく取り乱している芽衣の様子から察するに、どうやら自分のお尻に当たっているモノ、というか握っているモノが何か分かったぽい。
顔をトマトのごとく赤らめ俯く芽衣と対照的に、全力で顔が青くなっていくナイスガイ、シロウ・オオカミ。
普通ここまでヤバいと、速攻で
今なら聖剣だってへし折れそうだ!
いや、へし折られそうなのは俺の首かな?
俺はいつでも芽衣の拳が飛んで来てもいいように、腹筋に力を入れて身を固める。
……が、いつまで経っても芽衣ちゃんパンチは飛んでこず「あれ?」と思わず声を上げてしまう。
「め、芽衣さん?」
「その……ご、ごめんね士狼? アタシが急に乗っかっちゃったから……」
てっきり『くたばれ、変態!』と、メガトンパンチが飛んで来るとばかり思っていたのに、その愛らしい唇から出てきた言葉は、まさかの謝罪の言葉でシロウビックリ☆
芽衣は、俺が見た事もないしおらしい様子で、蚊が鳴くような声を出しながら、
ちょっ!? そ、そんな顔すんなよ?
そんな表情されたら、素直に謝るしかないじゃないか。
「いやほんと、俺の方こそ、その……ごめん。な、何でこんなにご立派になっちゃったのか、自分でも分からなくてさ。その……本当にごめん」
「あ、謝らなくていいわよ。生理現象なんだもの、仕方がないわ。……まぁでも、ちょっと嬉しかったかも」
「はい?」
むっ? なんだコイツは? 変態か?
「アタシってホラ、自分で言うのもアレだけど……ちょっと胸が残念な感じじゃない?」
『ちょっと?』と思わずツッコミそうになった言葉を、慌てて飲みこむ。
顔が見えないせいか、いつもの超能力じみた察知能力は鳴りを
「だ、だからその、士狼がそうなって……ちゃんと自分にも『女の子』としての魅力があったんだなって安心できて……嬉しかった、なんて……」
言うだけ言って恥ずかしくなったのか、顔の下半分を湯船に沈めて、ブクブクッ! と泡を吹き始める芽衣。
そんな芽衣を見て、俺はさらに混乱の極みに達しようとしていた。
一体芽衣がどのくらい本気で言っているのか、分からない。
本気で照れながらそう言っているようにも、俺を安心させるべく無理やりそう言っているようにも聞こえた。
分からない、芽衣の気持ちが分からない。
ただ分かる事といえば、お湯の下で、俺の手と芽衣の手が、自然と絡み合っていた事くらいだった。
◇◇◇
――同時刻、大和田邸にて。
『むっ!?』
『どうかしましたか、タカさん?』
『いやなに……今、喧嘩狼の家の方からラブコメの波動を感じたような。……気のせいか?』
『気のせいですよ?』
『ほらほら、2人とも? バカなコト言ってないで、ご飯出来たから運べし! って、うん? 古羊パイセンから電話が来てる? ――ハロハロぉ~。どったしパイセン、こんな時間に? えっ? 今から晩御飯だけど? ……はい、会長? いや来てないけど? ……はぁっ? ……はぁっ!?』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おまけイラスト
さんさん先生:作
芽衣:白スクバージョン
https://kakuyomu.jp/users/kerutan/news/16818093085161572381
芽衣がどんな格好で士狼とお風呂に入ったのか、もし気になる方がいればコチラにイラストを挙げておりますので、興味があればどうぞ!
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