NPD—

いません

第1話 左から2番目の白いブラウス姿

「私が何をした?!」


工場にある小さな事務所棟——人気ひとけの少ないオフィスの隅で低めの怒声が響いた。


「……………」


「あんたさ、この際だから全部言わせてもらうけど!———」




************



「——と、最後に小山田さんが佐伯さんに言いたいこと言って辞めていったらしいですよ」


「え?まじで?!

私あの時、小山田さんがもう辞めるから佐伯さんを最後ボコボコにしてやるって言ってた時、(喧嘩なんて怖いから)やめてくださいよ〜って言っといたんだけど、、やっぱり言っちゃったんだ、、、」


「うん、多分言ってましたよ〜なんかそんなとこ見ました」


「それで、佐伯さんは言い返してた?」


「う〜ん、言われて多分泣いてました」


「、、、まあ、だろうね、、っていうか言われて泣くくらいなら悪態つかなきゃいいのに!だってお母さんくらいの年齢の人じゃん、先輩じゃん。しかも小山田さんて大林さんと違ってしっかりしてるし、はっきりしてるし、佐伯さんが文句言える立場でもないじゃん。」 


「そうですよね、人生としても先輩ですし。言えないですよ」


「小山田さんのことは、声が田山さんに似てて嫌って言ってたよ、何その理由?って。そんな理由で人に対して態度変えるって何なんだろう、、」




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