第3夜


俺はカウンターでレモンの筋を切っている



「ノグが出てきたらしい」



セキュリティはまだ私服だった


ナイフを置いて目を閉じた


男の顔を思い浮かべる



薬中のDJで早い話クズだ


何度目かの裏切りの後横断歩道で撥ねられ病院に運ばれた


背中が熱かったのを覚えている


頭から血を流していたので死んだと思ったが生きていた


薬物所持がばれてそのまま連れて行かれてしまった


面会には行かなかった



馬鹿なノグ



俺はナイフを掴むと布巾に包み、そっとカウンターを出た




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る